安曇野市議会9月定例会 小林じゅん子の一般質問(まとめ)

~かみ合わない答弁 誠意のない逃げの答弁に終始~

仕様書なく取り寄せた見積書と関係書類

廃棄物処理施設の増田建設産業(以下M産業)の排水設備調査は適切か、というテーマで一般質問を行いました。
M産業の下水道使用量の推移に不審な数値があり、汚水が下水道に流れず地下浸透している恐れがあるので調査してもらいたいという地域住民の要請を受けて、市はこの3月に同施設の排水設備の調査を行いました。
しかし、この調査の完了届や業務報告書を情報公開請求して確認してみたところ、調査の実施状況や調査結果に関する記述が全くないので、調査の信頼性・信憑性に大きな疑問符がついてしまった、そんな状況について質問しました。

【小林質問】 M建設産業の下水道使用量に不審な数値があり、汚水が下水道に流れず地下浸透している恐れがあるので市は調査した。しかし、調査報告書には実施状況や調査結果に関する記述が全くないため、調査の信頼性が疑われるものとなっている。この業務委託の業者選定は、どのように行われたのか

【市民生活部長】 口頭で業務内容を説明の上、見積りを3者に依頼し、一番安価であった事業者と契約した。

【小林質問】 仕様書がなくては、※見積り合わせはできないのではないか。

【総務部長】 業者等が業務の依頼内容を的確に理解し見積もるため、仕様書を作成する必要がある。

【市民生活部長】 管内検査カメラを入れて管の中を確認する、管の長さは3mぐらい、泥で見えない場合は管内洗浄をする等々、口頭での仕様の説明になってしまった。

【小林質問】 調査の基本となる仕様書を3者に提示して見積りを取らない限り、適正な調査はできない。談合や不正な随意契約だったと疑われるような状況なので、今回の調査は無効であり、やり直しが必要だ。

【市民生活部長】 県・市の職員も現地で立会い、業者から説明を受け確認しているので、再調査の必要はない。

【小林質問】 立ち会った県・市の職員は裁判で市民と争っている相手方。本来ならば、この調査はきちんとした仕様書に基づいて業者選定し、第三者の立会いにより適正に行わなければならないが、どうか。

【宮澤市長】 今後、県と相談、連携しながら法に基づいて、引き続き立入検査を定期的に実施していく。

※見積合わせ……官庁や自治体の契約方式のひとつに少額随意契約があります。少額随意契約は、3社の見積書を比較して、最も有利な相手と契約を締結するものです。複数の見積書を比較することを見積合わせ(みつもりあわせ)といいます。

《かみ合わない答弁 誠意のない逃げの答弁に終始》

●小林純子 今、市民生活部長がおっしゃったように、口頭でこの内容を3社に伝え、見積りを取ったということでしょうか。

○市民生活部長 そのとおりでございます。

●小林純子 今回の業務委託については、随意契約ということで3社に見積り合わせという方式で行ったということです。その場合、口頭で伝えればいいことにはなっていないはず。仕様書を作らないで見積り合わせを行ったということですか。

○市民生活部長 先ほど申し上げたとおりでございます。

●小林純子 「先ほど申し上げたとおり」の内容を、3回電話できちんと間違いなくできますか。その証拠が残りますか。そのようなやり方は安曇野市では認められているんですか。

○市民生活部長 実際に、担当者が口頭で依頼したということでございます

●小林純子 仕様書がなく見積り合わせができるはずがありません。その点で総務部長に伺いますが、こういった随意契約で見積り合わせというやり方において、仕様書は必須ではないのですか。

○総務部長 仕様書の作成につきましてお答えします。総務部の中や契約検査課ではそれぞれ契約の研修会を行っている。仕様書の作成については、業者等が業務の依頼内容を的確に理解し、見積もれるようするため仕様書を作成するよう説明しています。

●小林純子 今回の見積り合わせについて仕様書は必要ですか、必要ではありませんか、どちらでしょう。

○総務部長 繰り返しますが、当方の研修会では、仕様書に関しては作成するということで、研修会では説明しています

以上、議事録からの抜粋ですが、見事としかいいようのない「かみ合わない答弁」を繰り返す部長。終いには市長まで、「引き続き立入検査を定期的に実施していく」とずれまくりの答弁。定期の立ち入り検査の話ではなく、今回の排水設備の調査のことを聞いているのに・・・ 私の質問の持ち時間20分では追及しきれませんでした。

後日の総務環境委員会では、この一般質問でのかみ合わない答弁を問題視する質疑があり、そこでやっと総務部長からは「見積合わせに仕様書は必須であり、今回の排水設備調査の業務委託について仕様書なく見積り合わせを行ったことは不適切であった。関係部署を指導する」との答弁がありました。

しかし、今回の一般質問がかみ合わない答弁 誠意のない逃げの答弁に終始したことから、M建設産業の排水設備の調査は適切なものだったのか、ますます疑いは深まりました。引き続き追及していく必要を感じています。