安曇野市議会6月定例会 小林じゅん子の一般質問(まとめ)

~現状維持が目的化しているPTA活動を変えていこう~

一般質問に立つ小林純子

この3月には、松本市の筑摩野中学校PTAが解散し、衝撃を受けた方も多いと思いますが、実はその前の年には長野市の大岡小学校、中学校のPTAも解散しています。全国的に見てもPTAの解散は珍しくなくなっており、活動しやすい新しい形のPTAや保護者会に姿を変えるところが出てきました。

この3年続いたコロナ禍でPTA活動も制約される中、これまでのPTAって何だったの、変えるなら今だねと切実に感じ、動いた人がたくさんいたからではないでしょうか。今まさにPTA刷新の動きは急速に広がっています。それはここ安曇野市も例外ではなく、PTAに関する相談が私のような一議員にもたくさん寄せられています。一言でまとめれば、現状維持が目的化してしまっているPTAを誰もが活動しやすいものに変えていきたいということなのです。

2018年3月定例会での一般質問では、「近年の傾向として、PTAが本当に必要か、あるいはPTAのあり方を整理すべきでは、という議論が起こっている」という当時の状況を考慮して、望ましいPTA活動について質問したところ、「教育委員会が直接的に任意団体であるPTAについて、こうしなさいというようなことは考えていない。」との答弁で、突き放された感がありました。「PTAは参加自由の任意団体なのだから、学校ごとPTAが、自由にやりやすいように変えていけばいいのですよ。教育委員会はそれを妨げるものではありません」そう言われているような感じでした。それから5年が経過するなかで、今や、全国のPTAは危機的と言ってもよいほどに課題・問題が山積しており、安曇野市においても例外ではありません。

そこで、今がチャンスと今回の一般質問のテーマとしました。
5年前とは違って、現状を直視した対応を考えている教育委員会の姿が見えました。

【小林質問】 全国的なPTAの危機的状況を受けて、「転機のPTA道筋探る」、「加入に意思確認導入」、「義務・強制をやめるには」、「活動の簡素化」等々、PTAの課題・問題が報道されている。本市のPTAも例外ではない。市教委の認識は。

【教育長】 市の小中学校PTAにおいても、「このまま存続するのは難しいのではないか」と危機感を抱く役員の声がある。コロナ禍の3年間には、新たなPTA活動の在り方を模索する動きも出てきている。

【小林質問】 任意団体であるPTAは、入退会自由であることを周知しているか。

【教育部長】 市の小中学校PTAでは、任意加入の周知は行き届いているとはいえない。退会の手続を会則に明記しているPTAもない。

【小林質問】 県教委は、PTAが任意加入であり活動は強制されないということを、保護者へ丁寧に説明するよう教育現場に求めている。市教委はどう対応するか。

【教育部長】 市の校長会を通じて周知していく。

【小林質問】 PTAは時代の流れや社会の変化に対応できず、現状維持で精いっぱいの状況にある。教育委員会が積極的に関わって、PTAの刷新を後押しすべきではないか。
【教育長】 PTAが自ら進化・変革しようとする兆しや動きがあるので、教育委員会も応援していきたい。

【小林質問】 具体的には何ができるか。

【教育長】 市校長会は月1回の開催であり、PTAで副会長の立場にある校長が集う場なので、PTAの課題を取り上げ、各校のPTA役員とも連携して、PTA刷新の話を進めるよう働きかけていく。