安曇野市議会3月定例会 小林じゅん子の一般質問(まとめ)

~「香害」はシックスクールの一種 さらなる対応・対策を~

教育委員会は、小中学校児童生徒を対象に昨年6月、「生活環境の中での過敏症に関するアンケー ト」を実施。柔軟剤や芳香剤などに含まれる化学物質や、その他の特定の匂いで、咳や頭痛、吐き気などの体調不良がおきている児童・生徒が43人(回答数4,611件、回答率65.2%)いることがわかった。これら「香害」の健康被害は、学校内の空気中の化学物質等によって発症するシックハウス症候群の枠組みで捉えることができる。

以前は、建材や備品等から放散する揮発性有機化合物(VOC)が原因物質の中心だったが、これらの使用規制が徹底されてきた現在では、教職員・児童生徒・保護者等が教室内に持ち込む、香り付き柔軟剤・洗剤、消臭・除菌スプレー、制汗剤等の成分から発するVOCが問題となっている。

ことは、学校だけにとどまらず、空気中の化学物質汚染は広がり、教育環境や保育環境、労働環境、生活環境にも悪影響が及んでいる。保育所、幼稚園、児童館、児童クラブ等の子どもが集まる施設や、市役所、図書館・公民館など市の公共施設は、利用者はもちろんのことそこで働く人のためにも、「香害」やシックハウス(学校においてはシックスクール)対策が求められる。

【小林質問】 香害やシックスクールの影響を受けて、登校が困難になっている児童や関係者がいる学校では、どのような対策を講じているか。

【教育部長】 現在、市内の1校で確認している。教室の換気を頻繁に行うとともに、校内に無香料石けんや空気清浄機を設置し、香害の低減対策をとっている。一般市民も参加可能な研修会を専門家を招き開催したほか、学級懇談会で香害による体調不良について学んだ。市内全ての学校で啓発ポスター掲示、家庭へは注意喚起のチラシを配布している。

【小林質問】 香害はシックスクールの一種で、学校の空気環境の問題である。学校環境衛生基準から見て適正な環境になっているか。市役所本庁舎の空気環境についてはどうか。

【教育部長】 小中学校と幼稚園では学校環境衛生基準に定める揮発性有機化合物等の検査を実施。基準を超える場合もあるが、その都度対応し適正な環境維持に努めている。

【総務部長】 建築物環境衛生管理基準により2カ月毎に調査。適正な基準に収まるよう対応している。

【小林質問】 香害の原因となる柔軟剤等の香料成分は、TVOC(総揮発性有機化合物)として測定可能。環境調査にTVOCを加えてはどうか。

【教育部長・総務部長】 実施に向けて研究の余地があるので検討していく。

【小林質問】 香害やシックハウスの予防に向けてさらなる取り組みは。

【教育部長】 学校の養護教諭を対象とした研修会の開催を検討している。

【総務部長】 この問題への理解を深めるため、職員を対象とした講座等の開催を計画している。