女性差別撤廃条約・選択議定書の速やかな批准を
~市議会から国へ 意見書の提出を求める陳情が市民から提出されました~
賛成19:反対1で採択 意見書提出へ
《陳情の趣旨》女性差別撤廃条約の選択議定書は、条約の実効性を強化するために個人通報制度と調査制度を定めたもので、1999年に国連で採択された。条約締約国189カ国中115カ国が選択議定書を批准している(2023年10月現在)。世界各国の男女平等の度合いを示す「ジェンダー・ギャップ指数2023」において、日本は146カ国中125位と世界最低のレベルであるにもかかわらず、この選択議定書を批准していないため、個人通報制度や調査制度は日本に適用されていない。日本の女性の権利を国際基準にするために、最も必要とされるのがこの選択議定書の批准である。
この陳情は、まず総務環境委員会で審査されました。女性差別撤廃に異議をとなえる議員はいないと確信していた私にとって、「選択的夫婦別姓制度の導入は日本の家族制度を根底から破壊するものになりかねず、その導入は時期尚早」といささか焦点ズレした主張で、選択議定書の批准に疑問を呈する議員がいたことは驚きでしかなかった。それでも総務環境委員会では、議論の末、全員賛成で陳情を採択し、国に対し選択議定書の批准を求める意見書の提出を委員会として議員提案することを決めました。
さあ、これで議会最終日の本会議採決では全会一致で採択されると安堵していた私の前に、また一人、選択議定書の批准に反対する議員が現れたのでした。
以下、これに反論し、選択議定書の批准に賛成する小林じゅん子の反対討論。
ただいまの反対討論は、その内容のほとんどが女性差別を容認するような発言で驚いている。生物学的な違いによる男女の役割分担は当然あるが、男女差の思い込みによる固定的な役割分担は不当な女性差別。無くすべき。性別によって生き方を規定されることなく、自らの生き方は自らが決めるということが重要。
「女性の会社役員や議員、閣僚の数が少なく女性国家元首が少ないため、日本のジェンダーギャップ・ランキングが低くなっているのであって、女性が不当に差別されているとは言えない」とは?。なぜ女性の会社役員や議員、閣僚、国家元首が少ないのか、その背景にどれほどの女性蔑視や女性差別があるのか、気付くべきでは。逆差別という言葉も出てきたが、それもまた見当違いだ。男女に同じだけ活躍の場があって、それでも女性に優位性がある場合に、初めて逆差別ということになるのではないか。現状、男女が同じスタートラインに立てていないのだから、逆差別などあり得ません。
「暴力や性虐待を含めた激しい被害経験も世界平均の3人に1人に比べて、日本人は13人に一人と少なく、女性蔑視が相対的に少ない」という結論付けも疑問です。なぜ日本では13人に1人なのか、世界平均よりこんなにも少ないのか ……。女性蔑視が少ないのではなく、女性蔑視があるから2次被害をおそれ被害を訴えることもできず、泣き寝入りするしかないのです。
以上、指摘したことはすべて女性差別につながるものだと気付いていただきたい。もはや、日本独自のやり方を模索するなどと悠長なことを言っている場合ではない。一刻も早い女性差別撤廃条約・選択議定書の批准を求めて、陳情採択に賛成の討論とする。