補正予算(第4号)にただ一人 反対したその理由は

~入学準備金貸付制度が、本当に必要としている人に届くように~

安曇野市入学準備金貸付制度のホームページ

安曇野市では、未来を担う人材の育成を図るため、高等学校又は大学等への入学に要する費用の支出が困難な保護者に対し、入学準備金を無利子で貸付ける「安曇野市入学準備金貸付制度」の運用を2016年から開始。当初は9件の利用があり、最大10件あった年もありましたが、5件、4件と減り、昨年度は3件になっていました。

利用が伸びない原因はいくつかありそうですが、最大のハードルは「安曇野市在住の連帯保証人が必要」にあると、私は考えています。ところが市教委は、「所得要件緩和により、申請者が増加する見込み」として、今回の補正予算に1,580万円の貸付金を増額してきました。所得の基準額(世帯合計所得額)は、子ども1人世帯=800万円、子ども2人世帯=900万円、子ども3人世帯=1000万円と引き上げられましたが、これで応募できる人は、連帯保証人を立てられる可能性も高く、せっかくの入学準備金貸付制度が、本当に必要としている人には、ますます届きにくいものになってしまうのではないでしょうか。

以下、小林じゅん子は、入学準備貸付金を含む補正予算(第4号)に反対しました。

高校や大学等への入学に要する費用の支出が困難な家庭に対して、入学準備金の貸し付けを無利子で行う入学準備金貸付事業について、所得要件を緩和したことにより、申請者が増加する見込みのため、事務局費のうち貸付金を1,580万円増額するという説明ですが、はたして、所得要件を緩和することで利用しやすい貸付制度となるでしょうか。

これまで、入学準備金貸付の申し込みが少なく、利用が伸びてこなかった要因としては、所得要件もあるでしょうが、それよりも連帯保証人の問題が大きいと思います。晩婚化、高齢化、所得格差など社会の変化を受けて、保証人となる要件を満たす人自体が少なくなっており、連帯保証人ともなれば成り手はなかなかみつかりません。そのうえ、安曇野市に住民票があり、かつ、現に市内に居住している人と限定されているので、連帯保証人を立てるのはいっそう困難です。入学準備金の利用をあきらめざるを得ない、このような厳しい条件は見直す必要があります。

連帯保証人を立てる人的保証だけでなく、信用保証法人などの機関保証を利用できるようにすることや、機関保証にあたっては、その保証料についても補助をするなど、利用しやすい制度設計を研究・検討していかない限り、入学準備金貸付の増加は見込めないので、貸付金1,580万円の増額補正には反対です。

※令和6年度分の申し込み期限は令和7年3月25日です。