総務環境委員会の政策提言テーマは「防犯カメラなどの防犯対策と安全安心なまちづくりについて」

~視察報告 みよし市の防犯カメラ設置等に関する取り組みについて~

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愛知県みよし市の防犯カメラ助成金制度

総務環境委員会では令和7年度の政策提言テーマは「 防犯カメラなどの防犯対策と安全安心なまちづくりについて」。令和7年12月議会に「防犯カメラ設置に関する陳情書」が提出され、総務環境委員会で審査しました。陳情者の訴えや、市の取り組み状況を詳しく伺う中で、防犯カメラ等の研究の必要性を認識し、陳情は継続審査とし、防犯カメラや防犯灯、見守り活動などを政策提言テーマにすることにしました。
5月12日には愛知県みよし市を視察し、みよし市の防犯カメラ設置等に関する取り組みについて研修しました。

以下、視察研修報告です。

愛知県みよし市では、安全で安心して暮らせるまちづくりを目指し、防犯カメラの設置と運用に関する条例を制定しています。この条例は、犯罪の未然防止を目的としつつ、市民のプライバシー保護にも十分配慮する形で運用されているところに注目しました。

条例制定の背景には、「地域の防犯力向上」の必要性がありました。この「地域の防犯力向上」ということですが、犯罪発生状況を分析してみたところ、平成24年頃まで、自動車関連犯罪や住宅侵入盗の多発、子どもや高齢者を狙った犯罪が増加傾向で、市民が不安に感じていた治安の悪化が現実のものとなってきたため、多くの市民が「地域の防犯力向上」を意識し始めたということのようです。同時に、防犯カメラの設置が犯罪抑止に有効であるとの分析結果も出て、「みよし市防犯カメラの設置及び管理に関する条例」制定につながったとのこと。平成25年12月1日から施行されました。市内の公共空間における防犯カメラの設置と運用に関する基準を定めています。

条例の制定過程では、市民や事業者の意見を取り入れながら、防犯カメラの設置基準や運用ルールを明確化しています。例えば、撮影範囲の適正化(個人や法人が設置する場合、画面の半分以上に公共用地が写るようにすること等)や画像データの管理方法について厳格な規定が設けられています。また、条例の運用に関するガイドラインも策定され、適切な管理が求められています。以上のような条例制定の経緯と、みよし市独自の防犯カメラ設置事業の成果については、現小山市長より詳しい説明があり、並々ならぬ熱意をもって取り組んでこられたことがわかりました。

条例制定と同時に、防犯カメラの設置について市民や事業者の理解と協力を得るために、条例の内容を周知し、防犯カメラの適正な運用を促進する取り組みが行われています。条例の周知ということでは、防犯カメラを扱ってもらう市内業者の営業活動が周知の効果を上げているとのこと。

社会状況の変化や技術の進展に応じて、条例やガイドラインの見直しも適宜行われるよう組み込まれており、市の公式ガイドラインには、防犯カメラの設置と運用に関する具体的な基準や市の責務について詳しく記載されています。市民のプライバシー保護と防犯効果のバランスが取れていて、防犯カメラが一般化することのリスクより、防犯カメラが無いことのリスクの方が大きいと、市民に理解してもらえたようです。

◆政策提言として検討したいことは、以下の通りです。

1、みよし市では、防犯カメラを防犯目的だけでなく、高齢者や子どもの見守りカメラとしてとらえ、個人が設置する「家庭用防犯カメラ設置費補助金制度」を実施しています。みよし市設置カメラ262台、区設置190台に対し、個人設置が306台となっており、この手法は安曇野市の防犯カメラの市民ニーズに応え得るものと考えられるので検討したい。

2、防犯カメラ設置となれば、プライバシー保護への配慮、防犯カメラの運用に関するガイドラインの策定は必須ですが、みよし市のガイドラインは撮影範囲の適正化や画像データの管理方法など、厳格に定められているだけでなく、市民のプライバシー保護と防犯効果のバランスが取れているので、これを参考にして安曇野市の防犯カメラ運用等に関するガイドラインを検討したい。

3、障がい者や高齢者等の福祉事業所の送迎用車両に、市との協定によりドライブレコーダーを搭載してもらい、「移動式防犯カメラ」として機能させることができないか検討したい。