合併に向けて最大の難関!?

どうなる電算情報システムの統合

 昨日の信毎によると「豊科町議会は26日の臨時会で、町が本年度一般会計補正予算案に計上した、近隣4町村との合併に伴う電算システム統合の負担金を削除する修正案を全会一致で可決した。(中略)同町議会事務局によると、修正案の提出は、5町村でつくる安曇野地域合併協議会が候補に選んだ業者の電算システムの能力や操作性について、職員から不安の声が上がっているのが理由」とあり、今ごろ“そんなこと”言っている場合ではないだろと、突っ込みたい気持ちになりました。
 5町村の代表自治体として業者と契約する立場の穂高町としては、豊科町が否決したままでは事を進められないので、今日予定していた臨時議会は日を改めることに。 
 議会全員協議会では、町長から豊科町が否決した事情や、電算システムの統合の経過についても詳しい説明がありました。これまで「なまじっか説明しても余計に分りにくくなるから、サラッとやっておけばよい」というような雰囲気もあり、議員も充分に理解するには至っていなかったと思われます。そのような背景から、豊科町が否決した事情を私なりに考察してみました。

①5町村のうち豊科町も含む3町村の基幹システムが「㈱電算」であるのに、穂高町の基幹システムである「日立」を採用したこと。3町村で使っている同じシステムに揃える方がうまくいくと考えたのではないか。
◆同じ会社の同じシステムを使っている自治体が合併した場合でも、システムの統合には大変な苦労を強いられている。自治体は法律・条令に従って同じ仕事をしているが、その仕事の仕方や処理の手順は千差万別、5町村となればそれぞれが自分のところのやり方がよいと主張し、譲らないというような事態もあり得る。3町村共通の「㈱電算」がよいといえるほど単純ではない。自前の部分を残し、自治体のIT業務の自立性を高めようとする「日立」のシステムの方向性はいいと思う。

②「日立」のシステムエンジニアなど担当者が、5町村の関係職員とうまくコミュニケーションがとれていないこと。職員の話や要望に真摯に耳を傾ける姿勢に欠けるとの声があり、「日立」と協力していいシステムを作り上げていくのは困難との受け止め。
◆「日立」の担当者の問題は確かにあります(私自身も経験済み。大企業病の傾向か?)。また一方で、5町村職員の電算チームが、どんなシステムを作りたいのか、自分たちでもまとめきれていないのではないか。自信を持って「日立」に対して「こうしてくれ」「できないのはなぜ?」など、ガンガンやり合えるぐらいでないと良いものはできない。

③「日立」のデモ機は使い勝手が悪い。現行のシステムより低いレベルのことしかできないのではないかと不安になっている。
◆本当に「現行のシステムより低いレベル」だとしたら、さっさと業者を変えるべきですが、おそらくそういうことではないと思う。今までより操作が一手間増えた、画面表示が分りにくい、といった使い勝手の問題は、使う人の「慣れ」に深く関わるもので、慣れるまではどんなにいいものでも使いにくいと感じるものです。そこは職員として研修に努め、慣れるしかないのでは。これまでの5町村のシステムより、個人情報保護やセキュリティーを重視したつくりですから、当然そのために操作のうえで一手間ふえるくらいの事はあるはず。

※その後「議員がこの程度の判断では困る」といったご批判も頂きましたが、「このような理解に至る説明しかなされていない」状況を知っていただくめに、このページは残しておきます。当局の説明不充分、あるいは“都合のよい”説明しかなかったとすれば問題なので、できる限り調べてみます。