「みどりネット信州」設立

「平成の大合併」の中間評価ともう一つの自治制度創設の課題

 今日は「みどりネット信州」設立総会のために須坂へ。須坂へは30年近く前、教員採用時の健康診断で県立須坂病院へ行ったことがあるだけ、今日が初めてのようなものです。今回もゆっくりする時間はなかったのですが、会場「しらふじ」は、須坂のまちの歴史を感じさせる素晴らしいところでした。旧須坂藩勘定奉行の住宅で、明治後期には医院となっていた建物を、須坂市がまちづくり拠点施設として保存再生し、上町自治会が無償で管理しているということです。

 この日集まったのは、議員6人、一般5人。総会には出られないが、「みどりネット信州」に参加したいという連絡も6人からありました。嬉しかったのは、一般市民の参加が多かったこと。それも各方面で活躍していらっしゃる多彩な方々、また20代の大学生、大学院生の若い姿もあり、議員だけが集まる会合とは場の空気まで違うような感じがしました。議員としての自分の姿勢を外側からチェックしてもらうという意味でも、またとない場となりそうです。
 
 設立総会では、まずは規約について、そして事業と予算について話し合いました。「持続可能な社会の実現」に向けて、県内地方議員の呼びかけによって設立したこの会は、議員だけでなく、議員を目指す人、会の趣旨に賛同し活動する人など大勢の参加によるネットワークを目指し、環境、人権、平和、市民の権利などについて、調査研究、政策提言、広報活動を行う。という会の目的については、住民自治という言葉を入れたほうがいいとか、会の趣意書がまず必要なのではという意見が多かったので、それを踏まえて規約の見直しをすることになりました。設立趣意書も改めて作ることにしました。
 そのほか、情報発信や会員連絡のために、ホームページの作成やメーリングリストについても検討しました。幸い、というか当然というべきか、パソコン活用に前向きな人が多く、これらは仲間内で出来そうだということになり、そのための予算も最小限にとどめることができました。
 役員として幹事6人も決まり、私もその一員として関っていくことになりました。会長など既存の役職は置かず、幹事のなかから代表幹事が事務局となり、会計担当は決めるが、幹事全員はスタッフとして仕事を分け合い、助け合いながら動くということで始めることにしました。

 このあと「みどりネット信州」設立を記念して基調講演。「平成の大合併」の中間評価ともう一つの自治制度創設の課題、というテーマで北海道酪農大学教授の河合博司先生のお話を聞きました。
 「自治体の職員もやる気を出し変わってきたまちがある。住民も行政依存から目覚めて活発な動きが見える。一番遅れているのは地方議会だ。」、「国から自治体へというタテの関係から、自治体同士のヨコの関係へ。自治の単位を国が示す広域行政論に合わせるのではなく、それぞれの自治体の歴史と地域の資源を見極め、必要に応じて連携すること、自主的に広域連合を使うことが大事。長野県は県として、それをやろうとしている。」、「(合併を)急かされる時ほど踏みとどまって考えることが必要。考えることは再評価するすることでもある。マイナスと思ってきたことが、プラスに転ずることもある。」、「国が進めようとしている地方分権は、国から地方へという上下関係から解き放たれるものではない。本来の地方分権は、住民自治を基底にした水平的なものだ。」など、印象に残った言葉の数々、断片的ですが書いておきます。