採決の時、安曇野市議会3月定例会最終日

賛同議員3名が集まらず修正予算案の提案断念

 17日は安曇野市議会3月定例会最終日。委員長から各常任委員会の新年度予算案等について審査報告があり、質疑・討論・採決が行われました。議員提出議案、追加議案もあり、こちらも議案説明、質疑、討論、採決ということで、2時から始まった本会議が終わったのは6時過ぎでした。

 ここでも報告していますが、三郷堆肥センターが大変なことになっています。新年度予算にも大きく響く大問題です。
 私としては、経営改善計画が提示されるまで施設修理改修の予算は認められないので、6,800万円削除の修正予算案を出そうと準備しました。修正案を提案するためには、議員定数の12分の1(3名)の賛同者が必要なので、出来上がった修正案を見てもらいながら賛同を呼びかけました。
 初めのうちは3人集まりそうな感触はあったのですが、「会派内で意見が分かれた。会派を割るわけにはいかないので降りる」と断られてしまったりで、たったの3人がなかなか集まりません。「堆肥センターに問題はあるが予算案には賛成する。責任会派の務めだ」といった声(責任回避では?の声)もあり、すべての会派に声を掛けてみましたが、賛同者は現れず修正案の提案に至りませんでした。
 仕方がないので、採決にあたっては新年度予算案に対して反対の意見を述べました。

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 2008年度平成20年度安曇野市一般会計予算に対して、反対の立場から討論いたします。本予算案の内容について、部分的に賛成しかねる点があり、修正案の提出を考えましたが、賛同議員3名が集まらず断念せざるを得ませんでした。
 しかし、部分的とはいえ、自治体の予算編成の基本に反するような予算計上を認めるわけにはいかないので、あえて反対の討論をするものです。

 さて、その「部分的に賛成しかねる点」ですが、一つは三郷ベジタブルの施設使用料が歳入に計上されなかったこと、もう一つは三郷堆肥センターの施設・設備改修に6800万円が計上されたこと、この2点です。

 三郷ベジタブルと堆肥センターを運営する三郷農業振興公社については、出資法人あり方検討専門委員会が8カ月にわたる調査・議論の末、2月18日に報告書を提出していますが、それによると、三セク8法人の中で、際立って経営に問題があると指摘されています。

 三郷ベジタブルの施設使用料については、経営改善計画が提示されただけで、2月5日には減額と支払い猶予の契約変更をしたため、予算計上さえされていません。契約変更自体は議会の議決を必要としませんが、これだけの重要課題について十分な議論もなく、予算審議も不十分なまま進もうとしています。

 三郷ベジタブルの経営改善計画は、初めに黒字ありきで売上高5億円という数字をはじき出し、施設使用料は減価償却方式に変えて減額。数字合わせで、技術的課題はすべて新常務に負わせる結果にならないかと懸念されます。単に施設使用料の問題ではなく、市政運営の基本にかかわる問題だという認識に欠けています。

 三郷堆肥センターについては、早急に改修しなければ操業を停止せざるを得ず、農家に甚大な影響を及ぼすというのですが、この施設の老朽化や度重なる修理等については以前から指摘されていたことです。毎年数十万、数百万の修理をしながら、突然に6800万円もの多額の改修費が必要になるのか、言い訳ばかりで納得のいく説明はありません。

 あり方検討専門委員会は、公費負担の公平性の観点から、施設を存続させるのであれば、経営体制を見直し、実質的経営者を畜産農家等に改め、将来的には市の関与を縮小・廃止すべきであると厳しく指摘し、「経営改善策の策定」を求めています。6800万円の予算を要求するのであれば、「経営改善策の策定」が前提です。それが示されていない以上、6800万円の改修費は認められません。市は10月までに策定すると言っていますが、それでは遅すぎます。そんなことでは、市民の貴重な税金が、また無駄に消えていくことになりかねません。

 出資法人あり方検討専門委員会は、事業の継続や法人の存立にまで踏み込む判断を求めているにもかかわらず、これに対する市の対応は、詰めを欠き、きわめてあいまいなままです。結論とツケを将来に先送りして新年度予算案を通す形であり、これを認めることはできません。
 以上、私の反対討論といたします。