福祉教育委員会視察報告

2014年8月24日 01時03分 | カテゴリー: 活動報告


須坂市立須坂支援学校

~須坂市立須坂支援学校、安曇養護学校、同校高等部あづみ野分教室~

  1. 須坂市立須坂支援学校(201478日)
    長野県安曇養護学校(2014722日)
      同校高等部あづみ野分教室(2014722日) 

はじめに
 3月定例議会に、安曇養護学校に在籍する安曇野市在住の児童生徒の教育条件整備および卒業後の支援に関する陳情の提出があり、委員会では採択されたものの、本会議において賛成少数で不採択となった。6月定例議会にも関連の陳情が再度なされたため、継続審査となっている。委員会における議論では、市としてこの陳情をすぐに実現することは難しいかもしれないが、市内から安曇養護学校に通っている児童生徒の多いことを考えると、前向きに検討すべきと判断した。議会としては安曇養護学校はあくまでも県の施設であり、市としてどこまでできるのかという意見が大勢を占めた。

 そこで、委員会として、須坂にある支援学校と安曇養護学校及び同校高等部あづみ野分教室の視察を行い、陳情内容の実現の可能性を探ることにした。

1、須坂市立須坂支援学校
・須坂市立須坂支援学校の概要について
・開校までの経緯について
・開校までの事業費と現在の運営費について
・ぷれジョブ(支援を必要としている子どもの仕事体験活動)について

2、長野県安曇養護学校
・安曇養護学校の概要について
・生徒の通学エリアの状況について
・スクールバスの運行状況について

3、長野県安曇養護学校高等部あづみ野分教室
・南安曇農業高校内に分教室が開校された経緯と分教室の概要について
・あずみ分教室の特徴ある学習について
・南安曇農業高校との交流について
・指導上の留意点について 

4、  まとめ(視察の成果と所感など)
須坂市では平成19年ごろから、障がいのある子どもをもつ親から「地域 の学校で子どもを学ばせたい」「地域で子どもを育てたい」という声が高まり、市行政としても障がいのある子どももない子どもも「地域の子どもは地域で育てる」という須坂市の教育の基本理念の実現に向けて、長野養護学校小学部須坂分教室を継承発展させ、須高地域に居住する児童生徒を対象とする「須坂市立須坂支援学校」を平成23年4月に開校した。

 養護学校(特別支援学校)はあくまでも県の施設であり、市が設置するのは難しいとの思い込みがあったが、このような経緯を聞き「検討の余地あり」どころか「積極的に検討すべき」との思いを強くした。

 ○特別支援学校に在籍する児童生徒数は全国的に増加傾向にある。須坂支援学校においても安曇養護学校においても同様である。また、入学してくる生徒の障害が重度化の傾向にあり、発達障害の児童生徒の急増にも配慮が急がれるなか、安曇養護学校の規模では対応困難な状況にある。安曇野市内の障がいのある児童生徒が安曇養護学校の過半数を占める現状から、安曇野市内に須坂支援学校のような市立の支援学校を作ることを本気で考えなければならない時期にあると考える。長野県でも特別支援教育連携協議会を立ち上げ、養護学校の過大化等の喫緊の課題について検討を開始したところなので、この機会を逃さず、安曇野市としても取り組むべきである。

 ○須坂支援学校は児童数減少に伴って空き教室が多くあった須坂小学校内に設置されていた。安曇野市でも、たとえば大規模校の三郷小学校を二校化するなら、現三郷小にはかなりの空き教室が出てくるし、明北小学校では児童数減少で現状でも空き教室は多い。新たに校舎を用意しなくても開校の可能性はあるのではないか。

 ○安曇養護学校(特別支援学校)におけるバス通学の位置づけは、普通学校のそれとは大きく異なり、「通学は保護者の責任で」という範疇には納まらない現実がある。障がい児童・生徒への対応のための添乗員は配置されているが、障がいは多様であるため添乗員一人では足りず教職員も時間外勤務の形で対応しなければならない現状である。そのため、スクールバスの増便を望むにしても、バスだけ増やしてもらっても添乗員の配置が無ければ、教職員の負担が増すことになってしまうので、バスと添乗員をセットで用意する必要がある。「様々な障がいの子どもたちが乗車していることを考えれば、バスの増便により1台あたりの乗車人数が減れば、それだけで確実に今より子どもたちは安定した(落ち着いた)状態でバス通学することができる」という校長先生の言葉が強く印象に残った。

 あづみ野分教室は南安曇農業高等学校の空き教室を活用して開校されたこともあり、やや手狭な印象はあったが、日常的に同世代の高校生との交流が図られ非常に有意義な場となっていることが見て取れた。安曇養護学校の高等部で学ぶのとは違って、一般社会、身近な社会に近いところで学ぶことにより、社会参加がいっそう進み生活が豊かになるのではないか。たまたま安曇養護学校の生徒数が増加して分教室の必要性が出てきたわけだが、農業高校の特色とも合致して分教室のメリットの方が大きいと感じた。