市長交際費を安曇野市の交際費「市交際費」へ

~安曇野市議会12月定例会
   小林じゅん子の一般質問(その2)~

市長交際費のホームページ昨年9月の決算審議で、
「市長交際費が流用・増額されたが、これは旧自治省通達により不適切とされている。なぜ流用したのか。交際費が不足するのであれば、補正予算で対応すべきではないか」
と質疑したところ、

「平成27年度は高額な弔慰金の支出が重なったため予算不足が生じた。やむを得ず10万円を流用したが、今後は原則流用せず適切な予算措置をしていく。また、問題を指摘された支出については研究・検討し、適切に対応していく」との答弁がありました。

予算の流用は、議会に対して特に説明や承認を必要とせず、黙っていればわからない使い方です。じっさい、質疑して初めて流用についての説明が行われたわけで、質疑しなかったら誰も市長交際費の流用に気付かなかったかもしれません。
宮澤市長の狙いが「気付かれない」ことにあったとすれば、市長交際費の使い方としては非常に問題が多いと思いましたので、今回は一般質問として取り上げ、同時に「市交際費」の提案も行いました。

◆市長交際費のホームページ
http://www.city.azumino.nagano.jp/site/shicho/list65.html

【小林質問】 市長交際費は毎月公表。公表=公正・適切に支出されているとは限らない。法律、判例等から支出が適正か検討すべき。
(1)広域連合や一部事務組合などの懇親会への支出
(2)職員が自費で出席している懇親会への支出
(3)市長の政治活動と思われる支出
(4)利害関係が生じる業界関係等の総会への支出
(5)県議時代からの個人的な付き合いとみられる支出
(6)市長の個人的ゆかりと思われる団体等の行事への支出

【市長】 基準そのものに著しい不備はない。運用の中で個別に公平・公正な立場で精査して使ってきたが、見直すべきところがあれば見直していきたい。

【小林質問】 見直しをしたところも一部認められるが、法律、判例等から支出が適正か検討すべき点が多い。市としての交際の透明性の確保と公費支出の公平性を高めるために、市長交際費を市交際費へ転換してはどうか。

【市長】 後援会活動とか私的流用とかは一切していない。公明正大に使っていると考えている。「市長交際費」「市交際費」名称はどうであれ、市全体で適正に使っていく。市長交際費だけでなく議長交際費も議会交際費へとの提案だが、常識では通らない考えだと思う。

*「常識では通らない」という宮沢市長ですが、常識は時代の流れと共に変化するもの。従来の手法にとらわれず、市としての交際を考えるときではないでしょうか。市長交際費を廃止し市交際費へ転換した逗子市では、市の交際費の8割が弔慰に関わるものだったこと等から、金品の提供等の支出を伴わなくても、市としての交際は十分に行うことができると判断し、その後の見直しをさらに重ねて平成15年度から交際費を全廃しています。

安曇野の平成27年度の市長交際費は106万円。
ちなみに、人口24万人の松本市の平成27年度市長交際費は約52万円でした。