「平成28年(行ウ)第17号公金支出金返還請求事件」裁判の報告(その1)

2019年5月25日 11時46分 | カテゴリー: 活動報告

~公金支出金返還請求事件(住民訴訟)とは、どんな裁判?~

2019年3月28日の市民タイムス記事

右の市民タイムスの記事(2019年3月28日)を見てご存知の方もあるかもしれませんが、それほど多くないと思いますので、この裁判の原告(訴えた人)である小林じゅん子から、詳しい報告をしていきたいと思います。

非常に複雑で込み入った内容の裁判で、わかりやすく説明するのが難しいのですが、安曇野市、そして市民にとって非常に大きな意味のある裁判なので、何とか最後までお付き合いください。まずは(その1)とあるように、数回に分けて掲載します。

 

 

「平成28年(行ウ)第17号公金支出金返還請求事件」(住民訴訟)とは

「安曇野市穂高のA社所有地に置かれていた機関車(D51・デゴイチ、安曇野市所有とされる)を、A社の事情(太陽光発電施設の建設計画)で移設するにあたり、農地転用が完了していない土地に安曇野市の費用負担により違法に移設した。これは行政の関与無くしてはできないことで、安曇野市職員と県職員の故意もしくは重大な過失によるものか、あるいはA社が安曇野市職員らと共謀して違法な移設を行わせたものか、そのいずれであっても市に損害が生じているので移設費用等を返還せよ」と訴えた住民訴訟です。

もう少し分かりやすく説明すると

穂高有明のA社の所有地に置かれていた機関車(安曇野市所有)を、A社の太陽光発電施設・メガソーラー建設のため別の場所へ移設することになった。

ところが、移設先は農地であり、元々はA社のプール施設を建設するために農地転用の許可を受けた場所であったため、プール施設をやめて太陽光発電施設と駐車場にするという計画変更の手続きをしていた。しかし、実際には駐車場を造っておらず農地転用は完了していなかった。完了していない土地を機関車展示場としたことは農地法違反である。

また、この太陽光発電施設の西側半分についても、フットサル場にするということで農地転用の許可を受けたにもかかわらず、造成工事をしただけでフットサル場はできていないのに農地転用完了の手続きをし、そればかりか虚偽の登記申請により地目変更を行うなど、違法な農地転用により太陽光発電施設をつくった。

このような違法な農地転用の実態を市は承知しながら、それを見逃し安曇野市の公金を使って機関車を移設したことは違法だと訴えた裁判です。

 

住民訴訟の書面や裁判資料のごく一部

訴えたのは(原告)は、増田望三郎議員と小林じゅん子の2人。こちら裁判にはシロウトの2人が、弁護士を立てず本人訴訟で訴えたのですが、安曇野市はわざわざ経費がかかる東京の弁護士を立ててきました。市としては「絶対に負けられない裁判」(違法性が認められたら、問題があちこちに波及し大変なことになる)ということだったのでしょう。裁判は2年に及びました。提出した書面や証拠書類、参考文献など、2,000ページは下らないと思います。どれだけ大変だったか写真を見て想像していただけたら、私も少しは気が晴れるというものです。

この住民訴訟について、3月8日、長野地裁において「却下・棄却」の一審判決が言い渡されました。私たち原告の敗訴ではありましたが、原告の主張が認められた部分が6項目あり、原告としては違法性が認められたこれら6項目を大事にし市政の改善につなげたいと考えました。裁判所が市の違法性を認めた問題について、議会というステージへ移して追及していく方向を選び、控訴しないことを決めました。

もとより、機関車移設の問題や職員の賠償を追及するつもりはなく、市が自らの事務事業の違法性を認めないので、やむなく住民訴訟の形をとって訴えたのです。もともと太陽光発電施設が建てられない場所であるはずなのに、気がつけばソーラーパネルが林立している。どうして農地法や土地利用条例に違反することなく建設できたのか?という大きな疑問が大前提にありました。こんな脱法行為がまかり通るとすれば、農地法や土地利用条例があったところで、安曇野の豊かな農地や自然環境、美しい田園風景を守ることはできません。真相を明らかにし、公正・公平な市政を取り戻してもらうために起こした裁判なのです。

ところで、この裁判について、内川集雄議員は個人の議会活動だより「集いの輪」に、「議会で移設費用の予算案を認める議決をしておいて、それを覆すような行政裁判をするのは許されない。2人の議員のパフォーマンスとしか映らない。敗訴した以上、2人の原告議員は責任を負わなければならない。」と書いていますが、判決には市の違法行為が認められていますので、パフォーマンスだとか濫訴だとか言うのは見当違いもはなはだしい。問われるべきは、我々原告議員の責任ではなく、なぜ市は違法行為をして訴えられたのかということです。市民の皆さんに誤解があってはいけないので、ここで反論しておきます。

※(その2)では、「玉虫色の判決に安曇野市行政は開き直る」と題して、判決の内容について報告します。

◆この裁判に関連した一般質問の報告です。参考にご覧ください。

太陽光発電施設建設と農地転用や特定開発事業の認定の問題
(2016年)安曇野市議会9月定例会小林じゅん子の一般質問(その1)
http://junko.voicejapan.net/blog/2016/09/14/5578/

太陽光発電施設の認定疑惑は解明されるか
(2016年)安曇野市議会12月定例会小林じゅん子の一般質問(その1)
http://junko.voicejapan.net/blog/2017/01/19/5702/