前平林市長時代の交際費と現宮沢市長のそれとは、その使い方に大きな開きがあり、宮沢市長になってからはとにかく「会費」(宴会費)が倍増どころか激増しています。安曇野市としての交際に欠かせない「会費」であれば、市長がかわってもそれほど増減するはずはありません。現状はかなり不自然な支出と言わざるをえません。
市職員の飲食費(食糧費)全額自己負担にするというのに、「市長交際費は私的な交際ではないので、全額自己負担とは行かない」という宮沢市長。職員も仕事の係わりがあって懇親会等に出席しているわけで、私的な交際ではないということをよく考えていただきたい。
以下、横地泰英さん(安曇野市を考える市民ネットワーク)の委員会傍聴レポートを掲載しますのでご覧ください。
◆安曇野市職員の食糧費、全額自己負担に 市議会一般質問
安曇野市議会6月定例会は2012年6月18日、本会議を開き、一般質問を行った。小林純子議員は市職員が各種団体と会合したさいの飲食費(食糧費)を公費負担している問題や、市長交際費の支出基準見直しなどについて質した。
宮沢宗弘市長は食糧費の公費支出について「改める必要があり、新たな基準づくりを指示した」と述べ、7月から全額を自己負担とすることを明らかにした。市長交際費についても検討するが「市長交際費は私的な交際でなく、市の交際費。全額自己負担とは行かない。公正、公平、社会通念に照らして判断する」と述べた。
小林議員の一般質問によると、飲食費の公費負担は「長野、安曇野など15市の市幹部や職員が各種団体との会合で一部か全部の飲食費を公費負担しているケースが2010年9月から1年間に323件あることが分かった」と4月21日付で新聞報道された。信州市民オンブズマンが得た公開情報で、合計額が最も多かったのは安曇野市の計160万円としている。小林市議は①市長は4月27日の記者会見で現状を精査するとしたが、どこまで進んだか ②飲食費の公費負担は最小限にとどめるべきであり、飲酒を伴うものについては止めるべきだ、と質した。
宮沢市長は「行政と地域の意見交換、情報収集の重要機会と考え、食糧費を支出してきた。ただ、5町村合併にともない、額がかさんでいる。改める必要がある」と述べた。市の内規によると、上限5千円程度の会費のうち、2千円を自己負担としていたという。
小林議員は「区長ら市職員以外の出席者についても公費が支出されていないか」と質したのに対し、市側は「食糧費支出の中で全体の人数、場所などを調査する」と答えた。
市長交際費について宮沢市長は「食糧費のような行政事務執行とは違う」と区別し、「日本の文化では酒宴で本音が聞ける部分もあり、情報・意見の交換もできる。全額自己負担は考えていない」と述べた。小林議員は「すでに(注1)市長交際費を廃止した自治体もある。経費節減にもつながる」と指摘した。
(注1)市長交際費を廃止した自治体は、磐田市、富士市、逗子市などがあります。逗子市では、平成15年度より交際費自体が廃止になっています。「結果として、必ずしも金品の提供等の支出を伴わなくても市としての交際は十分に行えることが明らかになった」そうです。