《質疑応答・意見交換》
【男性】 新庁舎建てることは問題ではないという意見もある。国のお金(合併特例債)をひっぱればよい。地元負担は微々たるもので金銭的にはいいこと。お金のことだけでなく、効率、情報公開、産廃問題など問題を多面的に取り上げてほしい。
【小林じゅん子議員】(今井講師からうながされて)「合併したんだから市役所は必要でしょ」で6年たった。市長は、80億円かかるから特例債が使えるうちにやらないと、というばかり。市役所はほんとうに必要なのか、どういう市役所ならいいのか、将来の見通しはという議論はない。住民投票を考えたのは、このまま計画が進むと来年12月着工となってしまうので、市民としては、いまアクションを起こさないと手遅れになる。市民が自ら新庁舎に賛成、反対、あるいは分からないと意思表示ができれば、その結果はどうあれ受け止めてやっていける。建設でもやめるにしても、議会任せにはできない。重要なことは自分たちで決めたい。
【今井】 特例債は、借金でありのちのちの返済の負担はある。その部分は広報されているのか。
【Y市議】 ほとんどされてない。
【今井】 佐久市は住民にこたえ、財政や特例債について文書化した。市民ホール完成後の維持費は議会に提示し、それを公表してから賛否を問うた。住民投票の「いのち」は、情報公開なんです。福島3、4号機どうなっているのか。情報出てこない。「合併特例債、悪いようにはせんから」と議会が押し切るというなら、やはり住民投票です。
【男性】 いろんな住民投票をみて、住民意識や自治体はどう変わったか。行政の民主化、情報公開につながるか。
【今井】 鋭い質問です。民主主義、市民自治についてつかみなおすことが必要です。首長、議員に「お任せ」でやってきて、いろいろな問題がここ20〜30年たまった。佐久市や四街道市は自分たちの事柄を自分で決めようと、一人ひとりの1票で決めた。主権者は私たちだと改めて再認識したのです。巻町の脱原発でも、はじめ町行政は原発容認だったのですが、住民は主権者は自分と考え、ものすごい時間と労力を注ぎ込みました。町長リコールまで行ったのです。子どもたちに「民主主義とはそいうものなんだ」と教えることができました。ものすごい時間と労力をかけたことが、ほんとの財産になる。投票日だけの主権者じゃない。365日主権者なんですよ。お金も労力もかかるが、やらないと地方自治は生き残れない。
【女性】 佐久はいい条件(市長が住民投票を提案)もあり、うまくいった。安曇野市の場合、市長は(新庁舎建設を)やりたくてしかたない。どんなに(署名の)人数を集めても否決される。時間がない中でいい結果を生むにはどうしたらよいか。
【今井】 早いのはリコールです。いま茅野市に福島の子供300人が合宿している。実はこれは疎開なんです。8日間内部被曝から離すためなのです。9月以降は学校単位で疎開させたいということで、福島独自の条例制定へ署名集めの話しが持ち上がっています。よりラディカルにリコールをという声もあり、どちらかの道を9月以降探ることになります。議員さん、なにか報告ありませんか。
【Y市議】 昨年12月6日から1月20日まで、新庁舎建設について、議員7人が市民アンケートをしました。結果は87:13の割合。87%は建設反対か慎重意見。3・11の大震災以降、反対は増えて9:1ぐらいになっているでしょう。
【今井】 議会で(住民投票条例)可決できないのですか。
【Y市議】 最近庁舎建設予定地の所在地変更を議決したのですが、反対は少数で21:7で可決されてしまいました。これで行けば否決でしょうかね。
【M市議】 私は21:7の21の側です。話を聞き、勉強になりましたが、市民ホールと市庁舎は同列には扱えないと思う。
【女性】 9:1でも聞く耳持たぬでは・・・。
【今井】 全国的にそうなんですよ。しかし運動は加速度的に広がる。神戸空港は75%が「いらぬ」といい、新聞報道もされたんですが、ゴリ押ししてつくっちゃった。
【女性】 首長は選挙戦では「庁舎問題は白紙です」と言って当選。当選後「色は決まった」。同じトーンの議員もいる。議員のリコールはいい手だが、「椅子取りゲーム」になりかねない。立候補者が多ければよいが、元議員の順番を決めるだけの選挙にもなりかねない。根本のところで市民側の候補を出せるかどうか。
【今井】 おっしゃる通り。出直し選挙の候補者は、リコール署名したグループから出すわけです。四街道市長選はそれでうまくゆきました。まさかの当選でした。市議選だったら5、6人は立てないと。リコールする側はそこまで段取りをつけないと足元を見られます。
【諌山憲俊・事務局長】 福島や宮城では庁舎が津波でなくなった市町村が相当あります。それら自治体はプレハブやテントで頑張っています。「庁舎をつくれば一体感が生まれる」などという安曇野市とは相当な距離を感じます。