さて、今日は今年初めての議会全員協議会でした。注目の議題は、本庁舎建設候補地が豊科の5カ所に絞られたこと。このことは、また改めて書くとして、もう一つは安曇野菜園の第7期第1四半期実績について。
第6期の上半期の実績報告の時に、菜園専務が「経営のことは会社に任せておけ」と言い放ったのは、ただの強がりだったのか。今日はやけにしおらしく、「努力する」の一点張りでした。「努力」だけで何とかなるなら、とっくに解決しています。
破綻処理には15億円かかる。ここで止めてしまうわけにはいかない。市はそう説明するのですが、このまま事業を継続するにも、毎年数千万円から1億円は安曇野市が財政負担することになります。どちらを選ぶにしろ「市民1人当たり1万〜1万5千円の負担増になります。「退くも地獄、進むも地獄」となってしまったのは、当初の計画が杜撰だったからです。旧三郷村が安曇野市が、それを認めない限りは、退くも進むもありえません。なしくずしに私たち市民の税金が使われるのは、許しがたいことです。以下は、「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」の横地泰英さんより、本日の全員協議会傍聴の報告です。
◆ルビーを断念、新品種へ〜安曇野菜園7期第1四半期報告〜
安曇野市議会は10年2月16日、全員協議会が開かれ、トマト栽培第3セクター「安曇野菜園」(旧三郷ベジタブル)について第7期第1四半期の経営報告があった。
質問に立った小林純子議員は「資料を早め提出してもらったが、第1四半期は09年9〜11月。まもなく半期という時期だ。これで四半期ごと判断とはいかがか」と苦言。その上で売上実績の計画値が、中期計画とその変更分との二通りになっていることについて、「作替えの時期を変えたようだが、合計値は変わっておらず、3品種合計3.9億円の売り上げも同じ。作変えすれば数値は変わるのが普通。見通しのある売り上げ数量なのか」と質した。
三澤専務は(他議員への答弁も含めて)「計画目標は達成する。3.9億円はなんとしても達成する覚悟。農業だから、できるとかそれ以上とかは言えない」と説明。また08年から導入した高糖度品種のルビーについては「売り上げが伸びないので、カゴメが試作している新品種に切り替える。作替えなどで収穫数量は変わらない」などと説明した。
村上社長(副市長)は「キャッシュフロー(資金繰り)は厳しい。ルビーの棟で1億円以上の売り上げがないと、期末には資金ショートもあり得る。金融機関に債務保証(損失補償)して借り入れも…」などと説明。コンピューターソフトの修理にかかる425万円も「資金が回らない」といい、カゴメ関係から迎える経営人材への期待を表明した。
会社清算の可能性については「15億円プラスアルファかかるうえ土地問題もある。始めた以上軌道に乗せて、一般の農業法人に引き継ぎたいが、進むも地獄、退くも地獄の状況だ」と、12月議会での市側答弁を繰り返した。
小林純子議員は冒頭の質問で「もともと5億円の売り上げがなければ経営がなりたたない。やるべきでない事業を始めてしまったのだ」と根幹の判断ミスを指摘した。
会社側の説明はアバウトで説得力に欠け、第1四半期3ヶ月だけの報告であることも手伝って、質疑は詰めきれぬまま終わった。(報告・横地泰英)
◆安曇野菜園株式会社第7期第1四半期の報告について
(安曇野市議会全員協議会資料)
・第7期売上実績表(計画値変更前及び変更後)
・合計残高試算表(前年対比貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書)
・安曇野菜園(株)経営破綻と三郷トマト栽培施設の譲渡等に係る財政負担額試算(21年9月説明資料を参考資料として添付)