この頭首工の復旧については、どうしてこんな大規模な工事になったのか、災害復旧の補助金でここまでできるのか、立派な施設を作っても川の流れ全体から見たらアンバランスで無駄が多いのではないか、工事後は植林するより自然に森が復活するのを待った方がよいのでは、等々。昨年ここの工事が始まったときに問題を指摘し、こうなった経緯について、従来のやりかたに問題がなかったかきちんと見返し、今後に生かすようにしてほしい、地域住民にもきちんと説明してほしい等、合併前の穂高町の農林課に話してきました。
その時の約束どおりに1年後のこの時期「植生状況検討会」の通知が来たので、よかった!と思って出掛けていきました。
ところが、合併後の安曇野市の担当者は「1年経ちましたので、みなさんと工事現場のその後の植生状況を見ながら、どのようにしたらいいか話し合いたいと思います」というだけ・・・
この1年間に、担当者として(旧穂高町から継続している職員もいるのに)どのように現場を見てきたのか、そしてどのような変化があったのか、また為すべきことが見えてきたのか、などの話がまったくないのです。
こちらは、この1年間、現場の植生がどう復活してくるか月に1度は写真を撮って定点観測をし、記録に残してきました。そのことは1年前に私からも伝え、「県の担当者に詳しい人がいるから相談かけながら、役場の方でも経過を観察していってください」とお願いしておいたのに。
写真を撮って記録してきたIさんが、しびれをきらして「そっち(町・市)では何もやっていないんですか?」と聞いたら、担当者の一人は「いや、その、この場所は(今すぐ植栽などせずに)何もしないで様子を見ようということになったので・・・」と、言い訳としかとれないようなことを言う。私としてはもう、あきれてものも言えなかったです。
同行の県の職員も大勢いたが、何のためにいるのやら・・・。まさに「お役所仕事」の検討会でした。
というわけで、貴重な時間をさいて多くの人に集まってもらったのに、何のために集まったのか、何をすればよいかもはっきりしないような検討会になってしまいました。
ただ一つだけ、しろうとの私にも分かったことは、表土保全をしないで工事したところは、ほとんど何も生えていないのに、表土をいじらないで工事したところでは様々な植物の芽吹きが旺盛であるということ。担当職員は、当然そのことを理解したうえで、だからその先はこうしたい、という提案がなければならないのではないでしょうか。
※表土保全=開発区域の表土を造成工事中にまとめて保存し、粗造成が終了した段階で必要な部分に復元すること。