議員の教科書ともいうべき議員必携によれば、全協は法的な根拠のない事実上の会議だということです。法的根拠がないのだから、当然ながら議決に関わることのない会議です。全協で言いたいことを言わせておけば本会議がスムーズに進む、ようするに「全協はガス抜きの場だよ」という声も聞こえてきます。
そんな全協の本質的な問題に関わる出来事が、実は1ヶ月ほど前にありました。臨時議会に先立って開かれた全協で、私が個人的に発行している議会だより「種まき通信」にクレームがついたのです。「種まき通信に書かれている記事の内容や、議員の発言内容が問題だというのではないが、議会全員協議会は議会としての法的な根拠のないただの会議であるから、そこで話し合われたことを実名で書くのはいかがなものか」というのです。
私は「全協は法的根拠がないといいながら、本会議と同じような重みを持った扱いがされている。議員でなければ出られない会議であり、当然、議員として責任を持った発言をしているはずですから、実名を公開して問題になるようなことはないと考えている。議会でどのような議論がなされているのか、住民に知る権利がありますし、議員は知らせる義務があるのでは・・・」
すると、あちこちから「議員として責任を持って発言するって、そんなことは当たり前のことだ」という声が!(だったら、なぜ実名で書いてはいけないか、私にはますますワカラナイ)。「実名で書くなんて、常識がない。何を書いてもいいってことはない。議会としての節度が必要・・・」と、声を荒げて発言する議員もありました。本会議が迫っていたので、議長が「この件については、また改めて話し合いたいと思う」と締め。
節度、ですか・・・。ゼンキョウなんだからと「節度無い」発言をしている議員がいるから、私はその事実を書いただけ。私に対して「節度が無い」と言われても・・・。 その後改めて話し合う機会がなく、全協の議論を実名で公開することの可否は宙に浮いたままなので、ここでも議員名をあえて出すことは控えました。
この9月議会で審議されることになっている「分権時代の新しい地方議会制度の構築を求める意見書」提出(全国町村議会議長会の要請)の件では、全協に関する提案も盛り込まれています。添付の参考資料には次のような説明がありました。
「全員協議会は事実上の非公式な会議であるが、実態は公的な施設を使用し、会議の準備も議会事務局が行うなど公的なものといえる。全員協議会を公式に準ずるような場とし、議会への住民参加を積極的に図るため、全員協議会で議員と住民との自由な討論を行うなど、全員協議会を活用する方途を検討することとするもの。」
私は大賛成です。