しかし、「ちょっと待ってください」と私は言いたい。県(6月県議会・土木部長の答弁)は中止=計画を取りやめにする、とは言っていないのです。「まだ事業の合意形成が得られてない部分もあり、事業を一旦中止して、広く意見を聞きながら見直して行く」と答えたのであり、「計画を取りやめる」ではなく「一旦中止して見直す」と言っているのです。
実際、7月29日に期成同盟会から早期着工を求める決議文書を知事に届けたときに、知事は、バイパス工事は早期着工。築堤を含めた改修工事については、地権者以外の地域住民や観光客の声を聞く場を設けるべきであり、その協議を踏まえて着工すると答えています。
そんな経緯のなか、万水川河川改修期成同盟会が呼びかけて、関係町村の議員が視察を行うことになりました。今日2日、猛暑のなか半日かけて視察。万水川の最下流部(バイパス建設予定地)からたどって拾ヶ堰交差部、あづみ野排水路の合流部、その上流の黒沢川、さらに上って黒沢川の調整池建設予定地まで見ることができ、大変有意義なものでした。にもかかわらず、今日も相変わらずの知事タタキの意見ばかりで、「それは違うんじゃないの?」と首を傾げながらの視察ではありました。
知事はバイパス工事は早期着工と明言しているのに、「工事中止の知事発言で着工が遅れ、大変なことになった」と思い込んでいる人が多いのです。工事が遅れているのは、用地買収が難しくなかなか進まないからであって、知事発言とは直接の関係はないのです。
だいたい、40年来の悲願!と言うにしては、穂高町の対応はどうだったでしょうか?今年3月下旬、町の農林課へ問い合わせたところ、「こちらでは分からない。担当は建設課の方です。」というので、建設課で尋ねると今度は「それは県の仕事なので、町の方では詳しいことは分らない。」との返事でした。これでは、40年来の悲願!と言われても誰の悲願かと言いたくなります。
万水川の改修に関する合意形成は、これまで地権者、期成同盟会と行政だけで行われてきました。一般の住民には、工事の内容、工法など何も知らされてきませんでした。安曇野らしさを構成する景観として、最重要地域の一つであるにもかかわらず、その点の論議も不十分でした。もちろん、住民の生命・財産の安全が最優先されることは言うまでもありません。ですから、私もバイパス工事の早期着工に反対しているわけではありません。まずはバイパスを作って様子を見てから、必要に応じて護岸の改修をすればよいと考えています。
さらに、安曇野市の総合的な都市計画により、親水公園、自然公園とすることも可能であるし、ラフテイングやカヌーなど新しい観光資源としての活用法も考えられます。
「10月には合併するのだから、明科町の人も参加してもらってはどうか。黒沢から三川合流までの総合的な流域河川公園、遊歩道、自転車道、写真スポット的な発想も考えられる。」という意見も私のところには寄せられています。この地を安曇野の財産ととらえ、皆で話し合う場が作られることを望みます。