穂高町議会は法定合併協議会設置議案を可決

合併推進の議員からの賛成討論ないままに可決

 今年6回目の臨時議会は、安曇野地域(法定)合併協議会の設置について審議しました。平林町長は住民投票の(合併賛成が反対を上回った)結果を受けて、地方自治法第252条の2第1項及び市町村の合併の特例に関する法律第3条第1項の規定に基づき、安曇野地域(法定)合併協議会の設置を提案。小林企画財政課長からは協議会の規約について説明がありました。
 質疑では猪狩議員が「法定合併協議会は、住民の声が反映されものとなるか。話し合われたことをどのように住民に伝えていくのか。」と質問。任意合併協議会と同じように、協議は公開で行い、すべて隠すことなくことなく説明していくとの答弁があり、今月末には町内4地域で地域住民会議を開くという具体的な話もありました。
 討論では、合併推進の議員からの賛成討論があると思っていたのですが、意外や私と青柳議員の2人だけ。私は「公平な合併情報を求める会」で、青柳議員は「穂高町を自立存続する会」で、それぞれ活動してきた立場から、住民投票の結果を尊重し法定協議会設置には賛成するが、今後の協議会が取り組むべき課題と責任の重さを自覚して進めるようにということで、共通点の多い意見でした。
 合併推進の議員は、この前の全員協議会の様子(6月7日の活動報告参照)から反対討論はないと予想して、特に賛成討論をする必要もないと考えたのかもしれませんが、合併賛成の議員からの賛成意見が一つもないというのは実に物足りないものでした。
 以下は、私の賛成討論です。

◆法定協議会移行の提案に対して、賛成討論をいたします。
 私は、合併のような町の将来にかかわる大事な問題については、住民みずからがその選択について意思を表明する住民投票の機会を持つべきと考え、住民投票条例の制定を訴えてきました。3月には県内初の住民請求による住民投票条例が実現し、6月6日には投票が実施されました。穂高町の民主主義と住民自治の高まりを示すものであり、住民の一人としてまた議会の一員としても誇りに思うところです。
 しかしながら、住民投票の実施にあたっては、行政として一方の立場に偏ることなく、公正・中立の立場に立った情報公開と執行に努めることが大前提であるのに、その点について住民に不満を残す形で投票日を迎えてしまったことは、とても残念に思います。
 とはいえ、このような残念な状況を受け入れたのも住民であり、わずかであれ合併賛成票が上回ったというのも住民意思の表れです。賛成であれ、反対であれ、民意の重さに変わりはありません。投票の結果は尊重されるべきであり、法定協議会への移行には賛成です。
 ただし、合併反対の住民が半数ある、これももう一つの現実です。なぜ反対なのか、どんな不安があるのかをしっかり受け止め、法定協議会での審議は慎重に進めていただきたい。法定協議会に移行した後には、これまでにも増して、住民が新市の将来像について議論する機運の醸成と、その場を提供する努力が必要になってきます。合併の中身に関わって、住民が主体的に判断できるような協議会の進め方に徹していくことを要望して、私の賛成の討論といたします。