平林町長は、住民請求による「穂高町が合併することについての可否を問う住民投票条例案」に、意見書を付けて議会に提出。「住民投票をすすめる会」の代表世話人の一人である丸山さんからは、今回の住民投票条例制定の住民請求について意見陳述がありました。
今回提出の条例案には、外国人登録法との関わりで必要な追加事項があるなどの理由で、修正案も提出され併せて審議されました。修正案は当然の内容で、問題なく可決。次に修正部分を除く原案について審議、いつもの議事進行通り質疑、討論が行われると思っていたら、採決になってしまいあわてました。賛成討論するつもりで準備していたからです。後で確認したところ、最初に合わせて審議と言っているから、当然討論も一括で行われるのだということでした。修正案のところで討論すればよかったのだそうです。
議長に対しては、通常の議事進行とちがう進め方をするときは、修正案と原案について一括討論しますとか、分かりやすく進めてほしかったと、議会閉会後に要望しました。
※以下は、私が述べようと用意していた賛成討論です。
住民投票条例について只今の修正部分とそれを除く原案について、賛成の立場で討論いたします。
住民投票を求める7659人の署名をもって提出された直接請求の重みを、今改めて感じているところです。地方自治法では、直接請求の権利は住民の選挙権と並らべて書かれていおり、住民が町の攻治に直接参加するための大切な権利として認められてます。
しかし実際には、この権利を行使するには大変な制約があります。署名集めをするためには、請求代表者に委任され、選挙管理委員会に届けを出さなければなりません。署名の収集期間は、町長が証明書の交付をした日から1ヶ月間と決められています。署名が認められるのは町内の有権者に限られ、署名記載事項で署名した日、生年月日、捺印などの漏れは無効にされますし、代筆は障害などの特別な理由が無ければ禁止されています。加えて、今回の穂高町の場合は厳寒の小雪の舞うような時期に、1軒1軒家を訪ね、有権者の1人ひとりに署名を求めて歩いたのです。提出された署名簿は1週間の縦覧がなされますから、主権者の勇気も試されることになります。ですから署名の収集は、これらの強い制約があるなかで行われ、有効署名数となる518名の約15倍に当たる7659人の住民の意思として提出されたのです。その署名の重みは、穂高町の民主主義と住民自治の意識の高まりを示すものであり、住民の一人としてまた議会の一員としても誇りに思います。
住民投票については、議会制民主主義に相入れないという意見もありました。しかし、住民投票は議会制度を否定するものではなく、個別のテーマの民意を議会に反映させることで、議会制度の不十分な点が補われる制度です。議員や首長の選挙では、人物を中心に町政全般の考えを判断して投票しているのであり、個別の間題ですべての政策判断が選挙民と一致することなどありえません。合併のような町の将来にかかわる大事な問題だからこそ、住民みずからがその将来の選択について意思を表明する住民投票の機会を持つべきだと考えます。
なお、住民が確かな判断をするためにも、住民投票の実施にあたっては、行政として一方の立場に偏ることなく、公正・中立の立場に立った執行に努めることと、合併する場合・しない場合の両方の情報を全て住民に公開することを要望して、私の賛成討論といたします。