安曇野市議会、定数3減の25に
~議員定数条例を可決、来秋選挙から適用~
12月19日、安曇野市議会12月定例会の最終日。注目の議案、議員定数条例の採決がありました。3か月前9月議会に、ゼロ減案、3減案、4減案の3本の条例案が提出され、結局どれも過半数の賛成を得られず流れてしまいました。4減案に賛成した議員が、「4減でダメなら3減で折り合おう」と考えて3減案に賛成するだろうと思ったのですが、さにあらず。私が4減案に賛成した後で3減案にも賛成したら「4減じゃないのか!」「いいかげんなもんだな!」とヤジが飛び交いました。
「もっと減らせという意見をやっと4減でまとめたんだから、3減というわけにはいかない」ということらしいのですが、市民の目には「そうやって、てんでに正当性を主張しているうちは定数減にならない。それが狙いじゃないの」としか見えなかったと思います。
12月議会を目前にして、このあたりの反省からか3減、4減の間で意見調整が進んだのです。
ゼロ減を主張する議員からは「4減からどうして3減になったのか?その根拠は?」と追及されましたが、それに対しては「定数28は多いから減らすべきということで一致している。まずは3減して議会の決意のほどを示すことが大事。さらに減らすことは次の段階で考えていけばよい」という考え方でまとまったということです。
そもそも、「議員定数の正しい根拠」というものはないのです。数年前に地方自治法の改正があって、それまで人口規模によって決められていた議員定数の上限も無くなっています。それぞれ自治体の事情で決めてよいことになったのです。財政が厳しいから議員数を減らそう。いや、それなら議員数を減らさずに報酬を減らす方がいい。いやいや、議員の質の問題もあるし、だいたい議員の仕事って何なんだい。となるわけで、結局自由に決めてよいと言われても難しい問題なのです。
わたし自身10年近く議員の仕事をやってみて感じているのは、定数28人のところ3~4人いなくても議会運営に支障はないということです。常任委員会の人数が1人減って6人構成になりますが、それで困ることはないでしょう。むしろ、1人ひとりの責任が増すので、自覚的に仕事をするようになると思います。しいて言えば、これが私の考える「議員定数減の根拠」です。
さて、以下は安曇野市を考える市民ネットワークの横地さんから届いた傍聴記です。ご覧ください。
◆安曇野市議会、定数3減の25に/条例を可決 来秋選挙から
安曇野市議会は12月定例会最終日の19日、議員定数を28から3減の25とする条例案を17対8の賛成多数で可決した。2013年10月6日投開票の次回選挙から適用する。
条例案は信進クラブの平林徳子議員が提出。小林純子議員ら4人が賛成者に加わった。 平林氏は、 ①定数問題は議会改革検討委、さらに議会改革委で3年間にわたって議論を重ねてきた。 ②今夏に議会が実施した「市民アンケート」(回収率2%)でも削減を求める意見が多かった。 ③人口が2倍以上の松本市の定数は31であるなど、近隣市の定数や社会情勢も参考にしたーと提案説明。
4減、3減、現状維持の3案が提出され、決められなかった9月定例会以降、「議会は削減を決められないのかというお叱りを市民から受けている」と討論で述べた議員もいた。
反対討論した議員は賛成と同数の8人。「定数減の根拠が不明確」「十分な議論が尽くされていない」などだった。小林純子議員は賛成討論で「そもそも根拠なんてないんです。近隣状況や定数減の必要性、議員職務の評価…議員に力があれば少なくて済むのか、力がなければ多くなるのか。定数の根拠は議論しようもないし、3年間の時間をかけても出来なかった。いまさら根拠とはおかしい」と反対論を批判。条例案が3減になったことについては「市議会が定数減でまとまることが大切」と述べた。