政務活動費の一部返還勧告が出たことは会派だけの問題ではない
~「反省している」
何をどう反省しているのか明らかにせず~
安曇野市議会の会派・信政会の政務活動費に返還勧告が出たことを、信毎が報じたのは2月16日。この日、午後は議会全員協議会(全協)がありましたので、当然議長から報告なり何らかのコメントがあるものと身構えていました。が、なにもなし。廊下の立ち話、世間話のなかにも、この件にふれるような話は聞こえてこず。隣の信誠会の会派室からは、返還勧告に不満そうな議員のやりとりが、かすかに聞こえてきたぐらいでした。
2月17日には市民タイムス、朝日、中日、読売、毎日等の新聞でも報道されました。市民タイムスは20日にも追跡記事議を出しましたが、その20日・3月定例議会開会日にも何の動きもなし。議長コメントも会派長コメントもいずれも「市民と我々の考え方にずれがあった」、「視察の成果はあったが、パックツアーを使って誤解を招いたかもしれない」、「勧告にはしたがう」というもので、「返せばいいんでしょ」と言わんばかりの態度、反省の姿勢見えず。
そして21日には「20日に39,936円を市に返還」と市民タイムスが報じました。小松洋一郎旧会派長は「視察の意義はあり、成果を生かしていくが、市長からの返還通知には応じることにした」と、やはり反省や謝罪の言葉は一切ありませんでした。これはいったいどうしたことかと、私が直接に小松旧会派長に話を聞いてみたところ、返ってきた返事は「政務活動費返還勧告が出たことについては、会派の問題だから議会全体に報告するとか説明するとか、考えていなかった」というノンキなものでした。
これでは、いつまでたっても議会として、市民に対して説明責任を果たすことができないし、問題解決に至らない。そう考えた私は、全員協議会「その他協議事項」の通告書を提出(増田議員からも同様の通告書が出た)。やっと本日18日、議員全員で政務活動費に関する住民監査請求の結果について話し合うことになったのでした。住民監査請求をした市民の皆さんを中心に、いつになく多くの方々が全協の傍聴に集まっていました。
話し合いの内容はどうだったのか。結果、どうなったのか。
信誠会(旧信政会)の説明は、「誤解を招くような使い方をして申し訳なかった。反省している。しかし、視察ではこんなにたくさんの成果も上げている。市民のために政務活動費を使おうとしてきたが、按分計算のことがよくわかっていなかった」という趣旨の説明の繰り返し。
誤解を招くような使い方とは、どういうことなのか。誤解した市民がいけないとでもいいたいのでしょうか。何をどう反省しているのか。どこに問題があったのか。等々問うてみても、かみ合わない説明が繰り返されただけでした。議論がかみ合ってしまえば、非を認めざるを得ないので、はぐらかすしかなかったのか・・・
それにしても、宮下議長の議事進行はひどいものでした。問題の視察旅行へ行った当事者である議長が、公平な立場で議事進行することには、そもそも無理がありました。
議長は議事進行そっちのけで、当事者議員としての自身の発言を優先して喋りまくり、議長の立場に戻ると、今度は自分の都合で恣意的な議事進行をするのです。
たとえば、自分に不利な発言を阻止するために、不規則発言(ヤジ)が飛び交っても注意することをせず、むしろヤジにより発言者を威圧することを期待するかのようでした。
ある傍聴者は「発言者を選りわけし、都合の悪い発言を阻止し、勝手気ままに議長を副に代わって発言をしまくり、これほど恣意的な議事運営を露骨にやっている議長は見たことがありません。もう議長不信任を市民から出したいと思うくらいです」と嘆いていました。(続く)