社会就労センター4施設の運営は新年度から一括して指定管理へ
~4施設の運営費、5年間で3億9,200万円~
社会就労センターというのは、さまざまな障がいや世帯事情などの理由により、一般企業に就職することが難しい人たちが、リハビリや職業訓練も含めて働き、社会参加を実現している社会福祉施設です。安曇野市には4施設あります。
このような目的から、収益性や効率性を求めるような指定管理制度にはもともと馴染まないということで、社会就労センターは今後もずっと市の直営でいくべきという考え方があります。私はそれとはまた別の観点から、社会就労センター4施設を指定管理者に任せることに反対しました。
穂高社会就労センターが平成26年度から、豊科社会就労センターは本年度から、民間団体(一般社団法人)へ業務委託されたばかりで、まだ2年にもなっておらず、どれほどの成果があったのか評価も定まっていません。
そんななか、4つの社会就労センターを一括して、この団体を指定管理者として任せてしまうことに大きな疑問を感じます。それは、指定管理者の募集のあり方に対する疑問でもあります。募集(公募)に当たっては4回の事前説明会があったのですが、どうしたことか参加業者がなかったのです。それでも淡々と公募を進めていたのは、心当たりの業者があったからではないか、選定に至った経過には疑問が残ります。
一口に社会就労センターといっても市の4施設にはそれぞれ特長があり、なかには利用者のニーズに応え切れていないなど運営上の課題があるところもあり、そのため市直営から業務委託に切り替えた経過があるのです。一方、直営で成果を上げているセンターもあります。
それらを一括して一団体に任せるという考え方は安易で、そこに安曇野市の社会就労センターの運営はこうありたいという福祉課の熱意が感じられないのです。加えて、この団体は社会就労センターで働いていた元市職員や指導員らが立ち上げたもので、公募の形をとりながら実は初めから決まっていたのではとの疑いも残ります。
4つある社会就労センターを、複数の団体(業者)を指定管理者として指定し、それぞれの特徴を生かし互いに切磋琢磨しながら運営に携わってもらうことが、4つのセンターの活性化にもつながると考え、今回の一括指定には反対しました。
*反対した議員は数名ありましたが、賛成多数で指定管理者一団体への一括指定は可決。(2015年12月定例議会)