安曇野市議会だより第60号ご覧いただけましたか
~議会のトリセツ編集顛末記~
トリセツというのは取扱説明書のことです。市民にとって、議会というのは分かったようでいてよく分からない存在でしょうし、地元の市議会であっても身近な感じはしないのでは?。ましてや、議会をどう使ったらいいかなんて、考えたこともないかもしれません。
そこで、議会の使い方=取扱説明書・トリセツのページを作ったらどうかということになり、5月発行の第58号から新連載「議会のトリセツ」が始まりました。今回、掲載記事が多く24ページに収めるという制約があり、トリセツのページは半ページにせざるをえず。こんな感じに出来上がりました。
全国の市議会の多くが「会派制」によって運営されているので、安曇野市議会の会派について解説するページにしました。会派のことなら半ページでまとめられるだろうということで、こんな形になりました。
でも、読んでいただいてどうだったでしょうか。
「へー、そうなんだ・・・」でもなく、ページをめくってしまったのではないでしょうか。私は少なくとも「へー、そうなんだ・・・」と、ページをめくる手がちょっとでも止まってくれたらいいなと思って、原稿を書いたのですが・・・
これが、最初の原稿なのですが、『議員の選挙が行われた後には、まずどのような会派が組まれるのか、議員同士で活発なやりとりが「水面下で」行われます。』の説明に難色を示す方が多く、私としては意外な展開となりました。「水面下で」という言葉使いが、あまりにそのものズバリの表現のため、抵抗があったようです。
実は、会派結成は、議会に必須なものとして位置付けられているものではありません。地方自治法にも特に定めはありません。ですから、公式な会議で協議して、全議員が関わって決めているわけではなく、お互いの政治的スタンスを推し量りながら、自身のメリット・デメリットも考慮して、誘ったり誘われたりの勧誘活動が繰り広げられます。無所属でやっていこうという議員には、会派からのお誘いは全くないところを見ると、「水面下で」という表現がピッタリです。しかし、あまりにあからさまに言われるのはイヤ、ということなのでしょう。
そこで、「水面下で」という表現を別の言い回しにしてみました。
「水面下で」を「非公式ではありますが」に変えたのがこれです。
しかし、これも、「議会基本条例には会派を組むことができると書いてあるし、わざわざ非公式と言わなくてもいい」とか「持って回った言い方でスッキリしない」などの意見が多く、結局はご覧のように議会基本条例の会派に関する第5条を引用して終わりになりました。こうなると、単なる議会用語解説みたいなもので、市民が必要とするトリセツにはなっていませんよね。
陳情や請願をしようと考えたときや、なにか議員に相談しようと思い立ったとき、どの会派の議員にお願いしようか市民は迷うはずです。そんなとき、市議会の会派の成り立ちが分かっていた方が相談しやすいと思うのですが。
ところで、この議会だより第60号を編集している最中、政和会に分裂の動きがあり、11月1日付で政和クラブと無所属2名に分かれました。
◆新しい会派構成・会派理念 [PDFファイル/213KB] はこちらからご覧いただけます。