離職票の書き方、手続きを知らない安曇野市?!

~文書質問に対する市の回答に驚く~

厚労省ホームページより

本年3月議会の一般質問において、小林じゅん子が指摘した職員の懲戒処分に関する問題点について、文書質問で再確認しました。そのうちの一つ、庁内セクハラ事件の加害事実を認定された職員の懲戒処分と再発防止策について。

 

 

【小林 文書質問】 被害者の女性職員(非正規)が雇用保険の失業給付金申請にあたり、セクハラでやむを得ず退職したことが認められ「特定受給資格者」の権利を得た。したがって、加害者職員は訓告や厳重注意ですむはずはなく、戒告以上の懲戒処分が相当である。処分の見直しは行わないのか。

【市 長 文書回答】 セクハラが受給の要件になっていたかどうかは、市では確認できない。「セクハラでやむを得ず退職した」との質問内容は事実に反している。加害者職員への処分は分限懲戒審査委員会が決定したので、見直しは行わない。

驚くべき回答です。失業給付金の申請には、市が発行する離職票が必要です。そこには退職理由が書かれており、「市では確認できない」はずがないのです。今回のケースでは、自己都合退職ではなくセクハラが原因だと異議申し立てがあったので、重ねて市が確認しなければ手続きはできません。そこまでセクハラを認めないのはなぜなのでしょうか。
というわけで、9月議会の一般質問で、6月に行った文書質問に対する市長回答から見えてきた内部統制の問題点を中心に、不適正な事務処理の改善や法令遵守の徹底など、安曇野市役所の内部統制のあり方について質問しました。個別、具体的な問題をいくつか質しましたが、これは決して些細な細部の問題ということではなく、内部統制全体に関わる問題を反映しているもので、見逃すことはできません。

Q1.市役所内のセクハラ事案について
【小林質問】 昨年度退職したセクハラ被害職員は、雇用保険の失業給付金申請に当たり、セクハラによる強度のストレスで精神を患い退職したことが認められ、特定受給資格者となった。一方、加害者職員は訓告以下の処分で、市のセクハラに対する認識や処分の程度は軽すぎるのでは。

【総務部長】 分限懲戒審査委員会で総合的に考慮し決定した公平な処分である。市の処分基準だけでなく総務省の処分に係る標準例も参照し決定した。

【小林質問】 総務省や市の基準によれば、セクハラにより強度のストレスの重積による精神疾患を罹患させた者は、減給、停職、免職のいずれかである。情状酌量の余地があったにせよ、訓告以下の軽い処分はあり得ない。今回のセクハラ処分が訓告になった理由はなにか。

【総務部長】 職員の処分に当たっては、職員分限懲戒審査委員会で事案が生じた問題点、原因、そういったものを調査確認した事実に基づき、過失の割合とか責任の度合いを含めて慎重に審査をしている。

総務部長の答弁は、セクハラの処分について聞いているのに処分一般の話にすり替わっており、はぐらかしに終始しています。セクハラの処分には、交通事故の場合のような「過失の割合」といった考え方はありません。当初は、「ケンカ両成敗」という言葉で片付けた経過があり、「セクハラの罪深さ」を理解していない市行政の実態が露呈したかたちです。

せっかく勇気を出して、セクハラに困って上司に相談したのに、市役所のハラスメントに対する認識や防止に向けた態勢が不充分だったがために、丁寧に対応してもらえなかった。そのために、加害者職員は軽い処分で終わり、被害者職員はさらに傷つき、精神的に追い詰められ職場にいずらくなり、退職せざるを得なかった。被害職員は「自分が存在しないもののように扱われたのが一番辛かった」と語っていました。

安曇野市では、この6月にハラスメント防止等に関する要綱を定めたということですが、今回の一件で「この程度のセクハラはおとがめなし、せいぜい気を付けましょう」とうそぶく職員と、「こんなことになるならセクハラの相談なんかできるわけがない」と泣き寝入りする職員と、その両方を増やすことになってしまいそうです。

◆セクハラ関係の懲戒処分の動向
今回の安曇野市のセクハラ事件では、携帯電話のメールでセクハラ、50代男性職員は懲戒処分以下の訓告(口頭、または文書で注意)となりましたが、通常は下記の事例のような対応だということが分かります。

・2019年3月 LINEメールでセクハラ 鎌倉市 40代男性職員 停職1カ月
・2019年11月 LINEメールでセクハラ 市川市 30代男性職員 減給10分の1(3カ月)
・2020年11月 体を触たりメールでセクハラ 静岡県 40代男性職員 停職3カ月