新市将来構想ダイジェスト版ができました

そのまま「自律のための将来構想」になりうる面白い冊子

 住民に配布される「新市将来構想ダイジェスト版」の資料をいただきました。題して”私の安曇野、みんなの安曇野”。パッと見「そうか合併するんだ、合併するとこうなるのか」と早合点してしまいそうな冊子です。でも落着いてページを繰ってみると面白いことに気がつきました。
 まずは表紙にある”個性と特色のある5つの町村が魅力あふれる<ひとつの安曇野>をつくる”というキャッチコピー、私だったら語尾を変えて”個性と特色のある5つの町村が魅力あふれる<自立(自律)した自治体>をめざす”としますね。そして次のページでは、”合併を地域づくりの大きなチャンスに”とありますが、これも”自立こそ地域づくりの大きなチャンス”と言いたいし、”町村合併にはプラスもマイナスもあると言われます。でも、それは、<受け身>の立場で考えた場合。もし合併するなら、プラスを最大限に引き出しマイナスを無くしてしまう、そんな合併が考えられないか”の文章も、”合併せず自立するには、プラスもマイナスもあると言われます。でも、それは<受け身>の立場で考えた場合。もし自立するなら、プラスを最大限に引き出しマイナスを無くしてしまう、そんな自立の道が考えられないか”と書きたくなります。そんなふうにしてこのダイジェスト版を読んでいくと、そこに説明されていることのほとんどが、「合併するからできること」なのではなく「合併せずともできること」だということがわかります。大事なことは合併するかしないかではなく、私たちがどんな町づくりや暮らしをめざすのか、そのためには合併がいいのか自立(自律)がいいのか、<受け身>でなく自分のこととして考えなくてはダメだということです。全15ページの内容は、そのまま「自立のための将来構想」になりうる面白い冊子と言えなくもないですね。
 それとは別に気になったのは、全ページにちりばめられた児童画。子どもの絵は自由闊達、天真爛漫、未来への希望をいだかせる明るいイメージがあります。ですからこの冊子のデザインは「合併へ誘導する」には大成功です。が、しかし、です。合併しましたという冊子ではないのですから、見る者に無意識のうちに合併のプラスイメージを持たせるような形で、無邪気に描いた子どもの作品を使ってほしくなかったのです。
 それにしても、これだけのものを作るエネルギーのいくらかでも、各町村の自立のためのシナリオ作りにも向けてほしいと思います。