安曇野地域合併協議会ウォッチング〜その2〜

新市づくり協働塾設置についての議論の中身は

 8月9日は第2回安曇野地域合併協議会。報告事項1件は新市の名称に関するもの。1月実施のアンケート結果が報告され、どのように決めるか協議。様々意見が出されましたが、それを踏まえ協議会事務局で検討することになりました。
 協議事項は、①安曇野・新市づくり協働塾設置要綱(案)について ②新市建設計画の名称及び基本構成(案)について ③合併の方式について ④財産及び債務の取扱いについて ⑤条例・規則の取扱いについて ⑥地方税の取扱いについて 以上6件。
 ①の協働塾については、前回の会議で「まちづくり・地域づくり」に向け、住民と行政が一体となって学習していく組織を設立し、新市における「住民と行政の協働」の基礎固めをするという目的で提案され、内容に異論はあったものの協働塾の意義は認められ設置自体は承認されたもの。今回さらに踏み込んだ内容で提案され、活発な意見交換が30分以上にも亘りました。主だった意見をまとめると下記の通り。

・協働塾の趣旨は話では解るが、設置要綱に書かれていることと整合性がない。学習を深め何らかの提案をしたとしても、要綱には”合併協議に影響を与える組織ではない”と明記されているが、どういうことか。

・合併協議会や新市将来構想にある地域まちづくり推進会議と、この協働塾との位置付け、役割が明確でなく、かえって各組織の連携を損なうものにならないか。

・塾という名の通り協働塾は学習の場である。合併協議会に”まちづくりに関する企画案”の提案をしていくとあるが、それでは協働塾が合併協議に影響を与えることになり、要綱に書かれていることと違ってくる。協働塾はあくまでも学習活動に重きを置いてほしい。

・塾長には新市将来構想策定の座長であった下平先生の案が出ているが、合併協議会の平林会長がその任に当たった方がよい。(これについては、平林会長自身から「それぞれの会の成り立ちを考えれば、兼任はできない」とのコメント。)

 傍聴していて感じたことですが、議員や協議会委員としての立場と決定権にこだわる人が大半で、合併の当事者は住民であり住民こそ合併について決める立場にある、ということを忘れているのではないでしょうか。(もちろん全ての委員がそんなだとは思いませんが。)「協働塾からいろいろと提案が出てくると、来年3月までに合併協議がまとまらないおそれがある。」という発言が、その事を端的に表しています。よい合併にするために出来る限り民意を反映させようと考えるのではなく、期限切れで合併特例法が適用されなければ、当てにしている特例債がパーになると心配しているのでしょう。
 要綱に”合併協議に影響を与える組織ではない”とあり、これは”影響を与えて当然”と考えていた私には腑に落ちないものでしたが、この一文がなければ委員からさらに強い抵抗が出て、協働塾の提案そのものが却下されてしまうかもしれず、協議会事務局が妥協点として入れたのかもしれません。いずれにしろ、①の協働塾設置については、結論は次回に持ち越しとなりました。
 ②新市建設計画の名称及び基本構成(案)は、名称を「新市まちづくり計画」として原案通り確認。③合併の方式は、新設合併(対等合併ということ)で確認。④財産及び債務の取扱いは、5町村の所有する財産、公の施設及び債務は、すべて新市に引き継ぐことで確認。⑤条例・規則の取扱いと⑥地方税の取扱いは、任意協議会での合意を受けて原案通り確認。

◆訂正◆協議会は協議する場であり”決定”ではなく”確認”が正確な表現である、とのご指摘がありましたので”決定”としたところを”確認”に訂正しました。(2004年8月15日)