「これが長野県の民主主義か」と叫んだY氏の報告によれば、40名もの傍聴者を恐れてか、正面きっては議場に行けぬと判断した古田議長は、あろうことか控え室の裏にあるベランダを伝って非常階段から脱出し、議場に向かったということです。全協の話し合いでは、口汚いヤジが飛び交うなか「初めての全員協議会で、いきなり採決は無理じゃないのか?」(あたりまえだ)、「議論はもう尽くされてきた」(えっ?いつ?どこで?)、「県民も傍聴に来ている。たった1回、30分で決着はおかしい」(そーだそーだ)などと言い合うだけで、なぜ議場に日の丸(国旗)を掲げる必要があるのか、或いは掲げてはいけないのかなど、根本的な議論はまったく無く、「いたずらに議論をすればいいわけではない。議論が深まって考えが変わる議員などいない」という信じられない意見まであったといいいます。
今年の6月29日、長野県議会議長応接室でのこと。「議長はなぜ日の丸を掲揚したいんですか」の問いに、古田議長は「私は全国議長会の副議長をしているが、議長会の会場には国旗が掲揚してあって、みな、拝礼。君が代を斉唱して始まる・・・。」と答えたそうです。
もう少し前の02年9月26日、県会議会運営委員会では、政信会の議員が「全国で議場に国旗を掲揚していないのは長野県だけだから」と議場での日の丸掲揚を提案しています。
もっと遡って95年3月頃だったか、大町市のある小学校では卒業式をひかえて、校長がボヤいていました。「何とかなりませんか。教育委員会も来るんですよ。日の丸もない、(君が代の)指揮者もないじゃあカッコがつかない・・・」
子どもの言訳じゃあるまいし、みんなやっているから、やらないとカッコワルイから、では何の説得力もありません。だったら、議場で・学校でなどと言わずに、個人の内心の問題として好きにして(させて)いただけませんか。そんなに掲揚したいなら、ご自分の議席に日の丸の小旗でも掲げたらいかがでしょう。そうすれば、県民にもハッキリとこの問題の在処が見えるようになり、もっと議論も深まったかもしれません。
それにしても、「議会全員協議会」はその規定も位置づけも曖昧で、議会としての議決権もないのに、こんな大事なことが決められていいのでしょうか、今回の「採決」の正当性には大きな疑問符が付いたままです。