国保会計って何?

みどりネット信州、1月政策研究会の報告

 今回の研究会は、会場は塩尻総合文化センター。いまだ高速道路を走ったことない私は、一般道を約1時間ほどかけて到着。午後1時半から4時半過ぎまで、あっという間の3時間でした。
 テーマは、「大幅改正を前に、現行の国保会計制度の仕組み、県内市町村のデータから自分の自治体の経営状態等を客観的に知る」ということで、今後の改正の大まかな方向性を県の職員にお願いして(県の出前講座を活用)学習しました。講師は国民健康保険室・医療ユニット主任企画員の吉田さんと、指導ユニット主任企画員の徳竹さんのお二人。

 国保(国民健康保険)といえば、暮れも押し詰まったころに「国保『停止』の11人死亡、保険料払えず受診遅れ」という報道は衝撃でした。国保の保険料を滞納して保険証が使えなくなり、受診の遅れから病状が悪化、死亡したとみられる患者が過去6年に少なくとも11人いたことが共同通信の調べで分かったというのだ。
 患者のほとんどは不況の影響などによる低所得者で、こういった滞納世帯は年々増加の傾向、保険証を返還した世帯は昨年6月時点で約130万世帯にものぼるという。(保険料を負担する能力があるのに払わないという悪質な例もあるとはいえ)誰でも安心して医療が受けられるはずの国民皆保険制度にも、「格差社会」「下流社会」の波が押し寄せている形ですが、どう考えてもこれでいいわけがない。
 実は我が家も国保世帯。以前は教員の共済組合でしたから、支払う保険料に比べてなんと優遇されていたことかと、今改めて思います。赤字で問題になっている市町村国保の会計、考えてみれば退職したり失業したりして所得がなくなった人が加入する国保、高齢になり医者にかかる人が多い国保、そんな国保の会計が厳しくなるのは当然ではないかと思う。

 こんな漠然とした問題意識だけで参加した研究会でしたが、県職員のお二人から国民健康保険制度の概要や県内市町村の国保に関わるデータについて説明してもらい、これまで「実はよく解っていなかった」ということがわかり、反省することしきり。それでも、政府・与党医療改革協議会の「医療制度改革大綱」の話を聞くうちに、医療保険一本化の課題や、 レセプト完全オンライン化(現在は紙のレセプトが主流で、非効率などの批判がある。2010年度末までに導入を目指す)、医療費明細の義務付け(医療費の領収書については、現状では合計金額だけ記載したものが少なくない。「悪質な医療機関が不正請求を行う温床となっている、との指摘もある。)など、改正の具体的な方向も見えてきました。

 また、参加したみなさんの発言や質問は、それぞれの自治体の現状に根ざしたもので、それ自体がとても勉強になりました。県からいただいたたくさんの資料について、「一人で資料とにらめっこしていても身に付かないが、みなさんの刺激とともに学べばきっと身に付く気がします」そんな感想を寄せた方がありましたが、私も同感、みどりネット信州の研究会の「場」の大切さを実感しました。

前の記事

さあ活動開始

次の記事

安曇野市議会の議事録