12月議会・小林じゅん子の一般質問〜その3〜

発達障がいを持つ子どもの支援について

 この学習障がいに関する質問では、障がいの早期発見と小学校に上がる前の指導のことなども質問しようと考えていました。「早期発見・早期療育」はいいことだという思い込みがあったからです。
 しかし、前例を調査してみたり、経験のある人から話を聞いてみたところ、そう簡単にはいかない現実が見えてきました。つまり、早期発見といっても現実には障がいのあるなしの見極めは難しく、きちんと判定できる専門家は少ない。あやふやな判定による悪影響がないとはいえない現状もある。また、仮に早期発見できたとして、その後の指導も誰にでもできるというものでもないし、確立された方法があるわけでもない、など様々な難しい課題があるのです。
 ということは、現状で「早期発見・早期療育」の取り組みを促しても、逆効果になるおそれがあるし、「障がいのあるなしにかかわらず皆一緒に学ぶことで育ちあう」ことから外れていってしまう危険性も感じたので、障がいの早期発見についての質問は取り下げとしました。

【 質問1について 】
 学習障がい、注意欠陥多動性障がい、アスペルガー症候群など、発達障がいといっても、一般には余りなじみがないと思われるが、これらは基本的に脳の機能的な問題が原因で生ずる障がいである。知的には標準またはそれ以上であるのに、社会性に乏しく、集団生活になじみにくい。学力の著しい偏りがあり、集中しにくい。極度に落ちつきがなく、衝動的な行動が目立つなど、それぞれに症状の特徴がある。このような児童・生徒は、これまで往々にして家庭でのしつけや子育ての問題として片づけられ、発達障がいとも認められず、専門的な教育や支援がないまま、悩みを抱えて過ごす場合が多かった。心理的な原因などによる情緒障害と一緒くたに扱われていた時期もあったぐらいで、なかなか理解されにくい障がいである。
 そういった状況の中、2004年の発達障がい者支援法成立によって、少なくとも教育、福祉、医療の現場では、発達障がいに対する意識やその対応も変わってきたように思われる。そこで、発達障がいを持つ児童・生徒の学校での現状について聞きたい。
 1点目として、学習障がい、注意欠陥多動性障がい、アスペルガー症候群などの発達障がいを持つ児童・生徒の学校での現状はどのようなものか。

【 教育長の答弁 】
 現在、広汎性発達障がい(自閉症)、高機能広汎性発達障がい (アスペルガー症候群・高機能自閉症)のように分類され、これらは発達障がいだということで認識が進んできている。安曇野市の小・中学校の状況を見ると、それらの発達障がいを持っている児童・生徒は、小学校1年生から中学3年生まで、どの学年にも在籍している。そして、児童・生徒たちは、通常の学級あるいは自律学級等で学んでいる。

【 再質問 】
 発達障がいと呼ばれる障がいのお子さんが、年々ふえてきているような感触があるけれども、安曇野市の小・中学校においてはどうか。

【 教育長の答弁 】
 比較した資料を持ち合わせていないので具体的には言えないが、発達障がいの児童・生徒数はふえている傾向にあると思う。発達障がいについて知られるようになり、家庭のしつけが悪いからだとの思い込みがあった時代とは違ってきたので、それも影響しているかと思う。これまでは、発達障がいとして認識されていなかったということがある。
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