2007年度安曇野市一般会計予算に賛成

3月議会最終日・小林じゅん子の賛成討論

 穂高町の議員だったころ、「何でも反対の小林じゅん子」と誤解されていたようで、新年度予算に賛成討論をして驚かれたことがあります。市民生活のすべてに関わる膨大な予算、部分的には問題があったとしても、そのことで全否定するわけにはいかない。それに、反対するなら予算案に対する修正案を出すのが筋というもの。
 しかし、予算減額の修正案ならまだしも、増額の修正案を作るのはかなり難しいし、一人会派の私とすれば、修正案提出に賛同する議員2人を見つけてくることもかなりのハードル。ならば、発言のチャンスは最大限活用する方法として、問題点を指摘し見直しを要望する形で賛成討論を行う、これでいくことにしました。

 ところで、安曇野市議会では、本会議でヤジが飛ぶことはほとんどなかったのですが、今回はちょっと様子がちがいました。特に、私の発言中にはやけにヤジが多く不愉快な思いをしました。
 「それを言うなら、(賛成討論なんかしないで)反対だろ!」みたいなことを何度もヤジられました。
 そんな時には、「議長、○○議員の不規則発言は止めさせてください。」と言うこと。そうアドバイスをもらったことがありますが、とっさにはなかなか言えないものです。こんどそんなことがあったら、キッパリ言うことにしよう。

◆2007年度安曇野市一般会計予算に賛成討論
 2007年度安曇野市一般会計予算に対して、賛成の立場から討論いたします。
新年度予算は、実感できる地域ブランドの創造、交流・連携の強化による一体感の確立、行政能力の向上、この三つの重点課題に対応して編成されました。予算は行政の設計図とも言うべきものです。合併後の基礎固めから、やっと安曇野市らしい姿が見えてきた予算案だと思います。

 まず、議会としては、インターネットによる議事録配信・検索システムは必須のものであり、今回の予算に盛り込まれた事に安堵しております。
 次に、循環型社会を目指すまちづくりにつながる、廃食用油によるバイオディーゼルオイルの精製のための予算、軽度発達障がい児等就学支援や不審者進入時無線通報システムの試験導入などの学校教育予算、男女共同参画計画策定、ひろがり・つながる地域づくり事業補助金、第3セクター経営状況調査など、金額的にはそれほど大きなものではありませんが、安曇野市の目指す方向が端的に現れており、評価をしたいと思います。

 一方、部分的には気になる点もありますので、いくつか指摘しておきたいと思います。
 一つは、今問題になっている「トマト栽培施設使用料」の件です。補正予算で7000万円が減額になったのを受けてか、新年度予算には始めから計上されていません。これはどうしたことでしょう?㈱三郷ベジタブルは、今後3年間も引き続き使用料の支払いを猶予すること、その後の5年間については年額7,000万円を2,000万円にする旨の契約変更を申し出ているとは聞いていますが、まだ契約変更はしていないはずです。このように当初予算に盛らないということは、支払い猶予ではなく支払いを免除したと誤解される恐れがあります。支払猶予であっても、きちんと市の歳入として予算計上し、支払えない場合には減額補正するというように目に見える形で手続きをするべきです。三郷ベジタブルとの関係で、責任の所在が明確になるような方法を探っていただきたいと思います。

 子育て支援策のファミリーサポートはこれまで5地域で行っていたものを統合し、専任の職員を配置するという条件で社会福祉協議会に委託されます。それにより、予算面では見かけ上ふえてはいますが、あまりに急いで統合されてしまったことへの利用者の戸惑いや反発は強く、この予算が有効に生きてくるのか心配な状況があります。

 もう一つ、学校教育の教育振興費についてです。これは各学校の消耗品や学校備品、教材教具などの費用で、一定の基準と児童生徒数によって金額が決まってきます。これに関連して市内の中学校を調査したところ、期末テストや進学指導のための総合テストなどの作成印刷費がこの教育振興費からは、まかなえないので保護者負担になっている実態がわかりました。テストは評価・指導に欠かせないものであり、教育振興費のなかで手当てされるべきものです。テスト作成費などが保護者負担とならないよう、市として充分な予算を充てるよう要望したいと思います。

 終わりに、現在の予算書は市民から見たら不親切で、わかりにくいものとなっています。自分のまちのどこがどうなのか、具体的に読みとれるような形式にはなっていません。北海道のニセコ町では、住民にわかりやすい予算説明の取り組みがされており、全国的にも広がりを見せていますので、安曇野市でも「市民にわかりやすい予算書」の取組みを要望して、賛成の討論といたします。