それは、市の方でも分っていたようで、「緊急性」を重視した求人の対応はありませんでした。6月23日に市の補正予算が議決されたところで、すぐに市のホームページで緊急雇用のお知らせがあるかと思えばそんなこともなく、ハローワークに求人が出たのも遅かったです。
わたしの知人の事例ですが、この人は7月で失業保険の給付が切れるので、必死で仕事を探していました。仕事が見つからなければ住居も失うことになる、ギリギリのところにいる人でした。
学校図書館の図書整理の仕事ならできると応募したのですが、普通免許が必要、通勤はクルマでという条件がクリアできず、断念せざるを得ませんでした。免許はあってもクルマはない、自転車ででも何とかして通勤するといっているのに、自家用車で来られる人でなければダメという。緊急雇用で優先される条件が、こんなことでいいのだろうかと疑問に思いました。
(以下、「種まき通信第27号」より)
◆1ヶ月働いて10万円
緊急雇用創出事業交付金
「創出」とは名ばかりのバラマキ予算
「離職を余儀なくされた非正規雇用者の再就職支援」が目的の、政府の緊急雇用創出事業は名ばかり。安曇野市でも6月補正で予算化されましたが、国(麻生政権)のバラマキ予算に追従するだけの内容で、こんなものが再就職支援になるとは思えません。
*臨時職員として採用
*期間は原則6ヶ月未満(最長1年)
*時給840円として1ヶ月10〜12万円。
(近隣には時給790円という自治体もある)
この条件で、いったい誰を救おうというのでしょう?「離職を余儀なくされた非正規雇用者」が、いくら準公務員であっても、臨時雇いで、それも生活保護基準以下の収入にしかならない仕事を望むでしょうか?
その一方で、これと同じ基準で働く市の臨時職員が大勢いるという現実。そのほとんどが家計の補助的に働く女性(主婦)や若者、年金生活者であり、その働きを正当に評価されないまま、行財政改革と称する人件費削減のために利用されてきました。
「安定雇用が得られるまでのツナギですから」という苦し紛れの説明が、なおさら虚しく響きます。
国はいったいどう考えているのか? 調べてみたら、今回の臨時雇用に関する国の推計基準は、1人当たりの必要金額としてたった100万円(年額)。再就職支援はおろか「雇用創出」などと大それたことが言えるような中身は何もありません。
自治体にしても、1995年に日経連が打ち出した『新時代の日本的経営』に倣うかたちで、行財政改革といえば聞こえはいいですが、雇用の流動化を進め、人件費を抑え低コスト化してきました。その結果が官製ワーキングプアの出現です。人件費の削減、低コスト化が招く矛盾に満ちた現状に目を向けなければなりません。
以上「種まき通信」からですが、このような状況は「小泉・竹中路線のツケ」が回ってきたようなものだと思うのですが、竹中さんについてはこんな記事を見つけました。
◆竹中平蔵氏、パソナ取締役に(asahi.com 2009年7月29日21時4分)
人材派遣大手のパソナグループは29日、小泉内閣で経済財政担当相や総務相などを務めた竹中平蔵慶大教授(58)を8月26日付で取締役に迎えると発表した。任期は1年。社外取締役ではなく、より会社の中に入り、経営や事業について助言してもらうという。
竹中氏は01〜06年に閣僚を歴任し、07年からは同社の特別顧問や取締役の諮問機関であるアドバイザリーボードの一員を務めてきた。