安曇野菜園の経営等に関する調査を求める要望書

トマト栽培三セク事業の検証と責任問題を明らかにする機会を作るべき

 5月7日の活動報告「安曇野菜園を民間譲渡の考え/宮澤市長が表明」でお知らせしたように、トマト栽培の第三セクター安曇野菜園は経営破綻の危機に瀕しています。村上副市長(安曇野菜園社長)は、「6月20日までに運転資金に3,000万円が調達できなければ倒産のおそれもある。なんとか安曇野市の損失補償での借入をお願いしたい」と述べ理解を求めましたが、宮澤市長は「自ら資金調達の努力をせよ。それでも不足する金額について借入を許す」との考え方を示しました。前平林市長が二つ返事で借入を認めていたのと比べ、どれだけまともなことか。私は宮澤市長の判断を高く評価します。

 議会としては、この期に及んでというか、遅れ馳せながらの感もありますが、厳しく責任を追及する意見が相次ぎました。しかし、1カ月のうちに3千万円の資金調達できなければ「倒産」という時に、「そんなこと聞いてどうするの?」みたいな的外れな質問もあって、議会がそんなだから安曇野菜園もここまでダラダラと決着つけずに来てしまったではないか・・・

 そんななか、私は山地議員の問いかけが非常に気になりました。トマト栽培管理システム(コンピュータとソフトウェアで約800万円)の故障と修理費用についての疑問、さらには温室のガラス工事にも不審な点が多いと言及したからです。
 私もこれまでの調査のなかで、当初計画に始まり三セク経営のズサンな実態はもちろんのこと、建設工事についても「わざわざオランダから温室の鉄骨材を輸入している」、「国産のJIS規格のガラスを使用するはずが、一部に中国産ガラスが入っている」、「工事の記録がきちんと残されていない」など、疑問点がいくつも出てきました。残念ながら、7日の全協では時間切れで、充分な検討、検証はできませんでした。

 そこで、なぜ旧三郷村はこのような無謀な事業に手を出してしまったのか、どうしてこれほどまでに赤字経営が続いてしまったのか、事実の検証と責任問題を明らかにする機会を作るべきだと考え、「安曇野市第三セクター安曇野菜園の経営等に関する調査を求める要望書」を提出しました。スピード感ある対応を期待したいところですが、どうでしょうか。以下、その要望書の内容です。

◆安曇野市第三セクター安曇野菜園の経営等に関する調査を求める要望書
  (2010年5月11日提出)

安曇野市議会議長 藤原廣徳 様
同議会運営委員会委員長 浜 昭次 様

提出者 安曇野市議会議員 小林純子
賛同者 安曇野市議会議員 相田登美枝
      安曇野市議会議員 山地重雄
      安曇野市議会議員 荻原勝昭

 5月7日の議会全員協議会で、安曇野菜園の上半期決算と「事業再生3ヵ年計画」の報告がありました。宮澤市長は「黒字転換は第8期(2011年9月期)からになる。1年間やってみて計画通り行かないなら、重大決断もありうる」と述べ、経営を民間に譲渡する方向も示唆しました。

 同時に、当面不足する運転資金について、「3,000万円の借入できなければ倒産するという危機的状況に至っているとのことだが、市に頼る前にまず自力で資金調達をせよ」と関係者に指示しているとし、その上で不足分を市の損失補償で借入する考えであると述べました。

 この損失補償による借り入れについては、合併前の旧三郷村議会が損失補償限度額2億5,000万円の債務負担行為の議決をしており、議決をした議会の責任は安曇野市議会が引き継いでいることになります。ここまで経営が悪化した安曇野菜園に3,000万円の借り入れを認めるべきか、議会もしっかりと調査をし、その是非について態度を明確にする必要があると考えます。
 そこで、次のように要望します。

1.安曇野市議会として、安曇野市第三セクター安曇野菜園のトマト栽培事業と経営等に関して、関係人の出席と証言を求め調査を行うこと。

2.このよう場合、議会として100条委員会を設置して調査することが考えられるが、今回は緊急事態であり迅速な対応が必要であることから、今月中に議会全員協議会において、関係人の出席と証言を求め調査を行うこと。

以上