松枯れ対策の政策提言に関する申し入れをしました
~安曇野市議会としての政策提言書を事後承諾で出してしまうとは~
先日、「議会として政策提言に努める」には程遠い形ばかりの議論、と題してホームページに書きました。http://junko.voicejapan.net/blog/2014/04/23/4909/
そして、このような不十分な意見交換から政策提言を導き出すことは困難と私は判断しました。しかし、議長は市議会としての考えを示すとして、「提言の内容については議長に一任してほしい」と発言。私のほか2~3名の議員は反対の意思表示をしましたが、賛成多数で議長にお任せとなりました。
私はこう考えていました。政策提言の中身の問題と政策提言の手続きの問題と、二つの問題があるのに、どうしてみな何も言わないのだろうか?こんなに安易に意見集約して、少数意見を尊重することもなく、市長に「議会として政策提言です」と上げてしまうのだろうかと。
それでも、議長からは提言書案が出てくれば、そこでもう一度議論ができると考えて、私と増田議員の連名で「松枯れ対策の政策提言に関する申し入れ」を行ったのです。ところが、その申し入れの時にわかったのですが、既に「政策提言書」は市長に提出済みとのこと。非常に驚きました。
安曇野市議会としての政策提言書を事後承諾で出してしまうなど、私には考えられません。こんなに簡単に議会としての政策提言がなされるとするならば、議会基本条例など無きがごとしです。先が思いやられます。
◆松枯れ対策の政策提言に関する申し入れ
http://seikatsusha.work/junko/wp-content/uploads/2014/05/ff16a00c9d69cc9b66c831ef37fd69dd.pdf
去る4月21日に開催された松枯れ対策についての議会全員協議会(政策討論会議に相当する意見交換)において、議長は会議のまとめとして「空中散布実施可能な場所を調査し、健康被害への考慮もしながら、県の基準に沿った方向で実施できる場所では空中散布をするよう市に提言する」と発言されました。
しかし、これまで松枯れ対策を議題に開催された全協では、市と県の担当者から松枯れのメカニズムと被害対策について話を聞き、その後、松枯れ被害の現場を視察したとはいえ、都合5時間ほどの意見交換をしたに過ぎず、「農薬の空中散布で松枯れは根絶できるのか」という疑問や、「農薬を空から無差別に撒くことの危険性」への懸念について、充分な知見を得て判断できるまでの意見交換、討論が行われたとは言えません。感情論や根拠に乏しい持論の展開に終始し、政策提言につながるような結論には至っていません。
それにもかかわらず、現時点で農薬の空中散布推進を市に提言することは、早計に過ぎます。松枯れ対策に関する政策提言を行うのであれば、よりいっそう調査・研究を深め議論を重ねたうえでされるよう、強く申し入れます。