不正事案再発防止に安曇野市議会としてなすべきことは

2014年6月20日市民タイムス記事と申し入れ書

~たった5行の文書をもって市長に申し入れ、本気度が問われる内容~ 

 「安曇野市長 宮澤宗弘様 不正事案再発防止について 5月28日、市道路改良工事において、市職員が入札情報を漏えいするという容疑で逮捕される事件が発生しました。本件の事実関係を明確に調査し原因の究明と検証をするとともに、今後は、法令遵守の徹底をはじめ、倫理の高揚、適切な執行管理を行い、再発防止に努めていただきたい。」

 たったこれだけの内容の文書が無所属議員控室(会派室)の机の上に置かれてありました。文書に日付が入っていないところを見ると、まだ原案段階のものだとは分かりましたが、それにしても「再発防止に努めていただきたい」では議会として何も言っていないのと同じではないかと、私としては非常に不満でした。

 その日の昼休み、この文書をめぐって3人の無所属議員が、「いったい誰の発案だろうね。ハッキリ言って中身無いよね」、「こんなことがあると議会としても何かしなくてはと思ったのだろうが、本気度ゼロだね」、「庁内に再発防止の委員会を作ったようだけど、身内の調査ではラチが明かない。第三者委員会でやらなくてはダメだ」等々、話をしているところへ、なんと議長がやってきました。

 「これ読んでくれたよね。議会としてこれぐらいのことは言っておかないとね・・・。今、市長が来ているから提出するが、いいね」というのです。もうビックリです。
 議長自身の提案か、だれの提案かは知りませんが、この軽い内容の申し入れに私は賛同することなどできません。きっとほかにも意見は様々あるはずだし、議長が口頭で「これでいいね」で済む話ではありません。
 そこで、私は議長にこう話しました。「ここの3人の無所属議員は、第三者委員会の設置を求めるべきだと話していたところです。この文書の内容では、議会の申し入れとしては意味がない。これで本当にいいのか話し合いもなしに、提出してしまうのはおかしいですよ」

 議長は、ちょっとまずかったかな?という顔をして出ていき、その日は市長への申し入れは思い止まったようでした。ところが、数日後、議会運営委員会で、この申し入れ書のことを議題として扱い、合意形成はできたということになってしまいました。
 無所属議員の荻原委員が第三者委員会の設置を盛り込むことを提案しましたが、これに賛同する委員はなく、冒頭に引用した原案通りの申し入れ書でよいということになってしまったのでした。

安曇野市議会基本条例には、次のような条項があります。

(議会の合意形成)
第14条 議会は言論の府であることを十分に認識し、議長は議員相互間の自由な討議を中心に運営しなければならない。
 
(政策討論会議)
第15条 議会は、市政に関する重要な政策及び課題に対して共通認識を図り、合意形成を得るため、政策討論会議を開催することができる。

 市長に対して申し入れをするということは、市長に対する政策提言にも等しいことであり、議会基本条例に定めているように、議員相互間の自由な討議を重んじ、合意形成を得るために政策討論会議を開催してもいいくらい重要なことです。それが、まだまだ認識されていない。
 4月に安曇野市議会として提出した「松枯れ対策の政策提言」も、十分な合意形成が図られた結果として提出されたかといえば甚だ疑問であり、今回の申し入れ書はもっと「お手軽」という印象が拭えません。
 議長の意向により、市長与党とされる会派の合意形成はたやすくなされ、本当の意味での議会の合意形成は数の論理によって阻まれがち。これが現在の安曇野市議会の大きな問題だと言えます。