市長交際費の流用・増額、本会議場の追加工事
~市長の予算執行の姿勢について/小林じゅん子の決算質疑~
22日の市民タイムス1面「任期満了まであと1年~市長選 水面下で動き活発」の見出し、ご覧になりましたか?宮沢市長はまだ進退を明らかにしていないようですが、3期目に向けて「やる気満々」と見ているのは、私だけではなさそうですね。
9月議会は「決算議会」。私は宮沢市長の予算執行の姿勢について疑問を投げかけ質疑しましたが、市長交際費の使い方を見てみると、3期目に向けて「意欲的に動いている」ということがよくわかります。ということで、以下に小林じゅん子の決算質疑を報告します。
決算は、市の施政方針、当初予算で示された重点課題の結果に対する事後評価であり、将来にわたってより効率的な行政運営を行うための予算編成の基本となるものとして重要な意味を持ちます。決算から見えてきた課題・問題を後年の予算執行に役立てる、そこに決算の意義があります。
(1)市長交際費の流用・増額について
【質 問】 市長交際費が流用・増額されたが、これは旧自治省通達により不適切とされている。なぜ流用したのか。交際費が不足するのであれば、補正予算で対応すべき。
前々から指摘している疑問点は①広域連合や一部事務組合の懇親会等、いわば身内の会合に交際費を使う。②職員が自費で出席する会合に市長が交際費で出席する。③市長の政治活動と思われる支出。④利害関係が生ずる業者関係の会合への出席。⑤市長の地元関係の行事への出席が目立つ。等々、使途基準の見直しや交際費予算の縮小を考えるべきでは。
【答 弁】 平成27年度は高額な弔慰金の支出が重なったため予算不足が生じ、やむを得ず10万円を流用したが、今後は原則流用せず適切な予算措置をしていく。また、問題を指摘された支出については研究・検討し、適切に対応していく。
【小林の見解】 ありとあらゆる方面から、市長の出席をお願いしたいという要望がある中で、公平性を損なわないよう交際費を使うことは、事実上不可能ではないでしょうか。宮沢市長の考え方は、日本的な慣例や社会的な習慣を重視するものですが、それはもう考え直していかなくてはいけない時代になっていると思います。いっそのこと市長交際費を廃止して、安曇野市の交際費「市交際費」と位置づけ、市として対応すべきものとしていけば、より公平公正な対応ができるのではないでしょうか。既に市長交際費を廃止した自治体もあり、そういった自治体の話を聞いてみると、必ずしも宴席に出席するとか、金品の提供等を伴うような交際費でなくとも、十分自治体としての交際はできるということでした。
(2)本会議場の追加工事について
【質 問】 新本庁舎完成後の追加工事の内容は。また、工事に問題があって業者対応となり(市の予算を使わずにすんだ)追加工事はあったか。その経過と内容は。
【答 弁】 追加工事の主なものは議場の照明、市役所の案内表示、映像調整装置の設置等で、合計1,743万円。そのほかに、議長席を高くする工事を行ったが、これは業者対応であり予算の追加はない。議場を視察した方々の「低いのでは?」という声や、完成した議長席が旧議場のものより低かったので、行政側で検討し当時の担当課長が業者と相談した結果、無償で工事をしてもらった。
【小林の見解】 議場照明については議会の強い要望と議論を経て追加工事となりましたが、議長席については議会の総意として「低すぎるから高くしてほしい」という要望も議論も一切ありませんでした。
議会が知らないうちに、一職員の判断で、あるいは市長の一存で追加工事ができるとすれば、安曇野市ではブラックボックスの中で予算執行が決まっていくということであり、これは由々しき問題です。さらに気になることは、当時の議長が「議長席を高くした」ことを知りながら、議会には報告しなかったこと。
*私は情報公開でこの事実を知りました。