一般会計予算に対する小林じゅん子の質疑(1)

~定員適正化計画に基づく適正な管理について~

【小林質問】 合併以来進めている定員適正化計画に基づく適正な管理について質疑する。

先日の補正予算の審議において、保育士の採用に応募がなく11人分の賃金2,700万円減額という内容があった。それに関して、もともと安曇野市の保育所では非正規職員が占める割合が70%だという、これは異常と言っていい状況だと思うが、そのうえ臨時採用も思うに任せず、現場には大きな負担がかかっているという説明があった。そのような現状において職員の定員適正化を考えたときに、保育士の正規雇用をせめて半分くらいにもっていきたいとすると、これまで進めてきた定員適正化計画が本当に適正なものであるか非常に疑問を感じる。どういった観点で進めてきたのか再確認したい。

【総務部長】 新庁舎建設に合わせた定員管理の適正化により、平成25年~29年の5年間に当たる第2次計画を策定している。これは、市町村合併によるメリットとされた職員数の削減というだけでなく、庁舎建設等を見据えての事務事業の見直しやアウトソーシング等による削減について、一定の検討を加えた中で、プラス、類似団体等の比較をしながら定員適正化計画を策定したものである。第1次計画では、全国の自治体の減員目標の平均値6.4%を参考に、現在735名という数字で減員目標を設定し、28年で733名となっているこれは保育士の正職員も含めての計画である。

【小林再質問】 定員適正化計画・第2次計画の中に、こういうくだりがある。「今までの安曇野市の取り組みは、全国平均を上回る減員率を達成しています。これは、合併のメリットである職員数の削減が着実に行われた結果であると言えます」と。

しかし、職員数の削減の実態は、保育士25名、学校事務、図書館司書14名、交流学習センター「みらい」「きぼう」の新設に当たって、図書館司書の正規雇用は1人しかいないのとか、給食調理員の非常勤職員化が15人というように、従来女性の職場として考えられていたところでの削減が非常に多い。これは、女性が携わる仕事、従来女性の仕事と言われてきた分野の仕事を軽く見ているのではないかと、そんな気さえする削減の状況がある。

これで果たして安曇野市の職員数は多いのだろうか。これもデータがあるのだが、全国の類似団体121団体の人口1万人当たりの職員数は平均78.49人。安曇野市は69.54人、8人ぐらい少ない。決して、現状、定員適正化において多過ぎるから、まだ減らさなくてはいけないという状況ではない。財政的に厳しいので、そうはいっても難しいという話になるのかもしれないが、であれば、財政の中身、どこにお金をかけるかということからきちっと見直して考えないと、決して適正化になっていかない。

適正化計画の第2次計画にある、常勤職員とそれ以外の職員の職域の見直しという項目には、「常勤職員は、職員でなくてはできない業務、職員の専門性が生かせる業務、いわゆる公権力の行使や政策形成に特化していく必要がある」ということについて。この考え方でいくと、ますます女性が活躍している職域での定員減が進むことになる。大事なのは、人を育てる、人と向き合う、そういった教育や福祉の分野で正規職員の採用によって、市民サービスがしっかりできるようにしていかなければならないと思う。そういった観点で今後適正化計画を見直す必要があるのではないか。

【総務部長】 ちょうど30年から第3次の定員適正化計画に向けての取り組みを進めていくことになる。非常勤職員と正職員の位置づけでは、非常勤職員の専門性を生かせる部署も必ずある。しかしながら、保育士を例にとると、非常勤保育士として専門性がしっかり生かせるとしても、正職員として保育士の専門性に加えて様々な責任が伴う仕事を求められるので、25年当時90人だった正職員を28年度には102名ということで10名ほど増やしてきた。来年度も3名の採用を予定しており、正職員化も少しずつだが進めてきている。

見直しには事務量を適切に把握しての人員配置が大前提になる。また、類似団体等との比較を参考にして計画策定していく。今後は再任用の職員も相当数入ってくるので、常勤、再任用、非常勤、これらを適正に配置していく。

女性だからとか、男性だからとかいうことでなく、今後は女性活躍推進法や男女共同参画の趣旨で宣言等もしている。女性の職場だから非常勤でいいという考えは決してない。その辺も踏まえて次の30年からの適正化計画の策定を進めていきたい。

【小林再々質問】 女性の職場であるから臨時でもいいというような考えはないということだが、結果として女性が多く働く職場にしわ寄せが行っているということは間違いない。

本庁舎ができて、ここに大方の職員が集まって仕事をしているが、女性が多く活躍している職場、保育所、健康・保健にかかわる施設、福祉の施設などは市庁舎から離れている。そのため、実際に仕事をしている女性職員の仕事ぶり、働く姿が見えにくく、無意識のうちに、女性職員に対する評価や配慮に欠けてくる面があるのではないか。そういったことも含めて、適正化計画の見直しが必要ではないか。

【総務部長】 いずれにしても、30年から始まる適正化計画をしっかり策定していかなければならない。ご意見はもっともである。特に、出先の職場の状況については、ヒアリング、聞き取り等もしっかりしながら、職場の状況や職員の配置状況などの部分と、仕事量、業務量というものをしっかり把握して、それを前提にして職員配置等も考えながら、5年間の再配置計画をしっかり作っていきたいと考えている。