一般会計予算に対する小林じゅん子の質疑(2)

~農地法に基づく業務について~

安曇野市農業委員会だより より

【小林質問】 農地法に基づく業務として農地パトロールを実施しているが、この中で農地の違反転用のチェックなど行い、適正な農地の管理が行われているか質疑する。

2年ほど前に有明・立足地区にメガソーラー施設が建設されたが、ここに農地法違反や違法農地転用があったのではないかという疑いが出ている。関連して、「ここも違反転用ではないか」という通報が私の方へも来ている。また、昨日の一般質問の中でも、違反転用が放置されている状況があるのではないかという内容もあった。

農業委員会の仕事について、毎年の計画と実施後の評価を公表しているので、見てみたところ、違反転用は無い、ゼロという報告が圧倒的に多い。しかしこれは現状と随分違うのではないかということで、どのように農地パトロールを行い、適正な農地法に基づく業務をしてるかということでお聞きしたい。

【農林部長】 農地パトロールについては、農地法に基づく利用状況調査と位置づけて、全国農業会議が定める農地利用状況調査実施要綱に基づき、年1回、市内にある農地を対象に地元農業委員と連携をして実施している。その目的は、1つとしては地域の農地利用の確認、2つとして遊休農地の実態把握と発生防止解消、3つ目として違反転用発生防止、早期発見である。

違反転用農地への対応としては、農地パトロールや地域の皆さんから寄せられた違反転用農地の情報は、地元農業委員と連携しながら農地の現地確認、権利関係を精査して所有者への聞き取り等を実施する中で、解消に向けた是正指導を関係部局と連携して実施している。ただ、市内全ての違反転用を把握することは困難で、農業委員や市民からの情報提供により対応している。

農業委員会活動の中で違反転用農地はないと公表していることについては、情報提供により違反転用が発覚した場合には、その段階で是正指導等を実施して、違反転用状態のある農地を聞き取りや現地調査等の対策を講じて対策をしている。結果として農地の違反転用は解消してきているということで、違反はないと公表しているということである。

【小林再質問】 違反転用があった場合でも是正されて、その年度のうちに解消されれば、発表される数値としてはゼロになるという点は理解できる。しかし、そう簡単にはいかない事案があるのではないか。毎年、農業委員会が公表している違反転用の数値がゼロではなく、増減する動きがあった年があり、気になっていることがあるのでお聞きする。

農地に関して、多面的機能支払制度や農地・水保全管理支払交付金制度というのがあり、これは農家とっては非常に好評な制度で、市内でも多くの農家がこの制度を利用している。そういった補助金を利用するに当たっては、ここは農地だということで申請しているわけだから、その中に違反転用の農地が含まれているような状況が後々になってわかった場合に、補助金を返還せよといったことにもなりかねない。そういった補助金事業との関連で、農業委員会としても農地パトロール、違反転用防止に力を入れてやっていく必要があると思うがどうか。

【農林部長】 確かに私ども調べた中で、21年、23年ぐらいまで公表された中には違反転用がゼロでないことがあった。他年度においてどのような公表をしたか調べたが、今のところ、当時の違反転用の増減については不明である。

それから、今、議員さん御心配されている、以前の「農地・水・・・」と呼ばれていたもので、現在は「多面的機能支払交付金事業」となっているものの関係では、現在市内に51組織ぐらいあって、非常に活発にそれぞれの地域で活動をしている。当然その中に違反転用等あれば、補助金の対象とはならないので、会計検査等があれば当然返還ということも起きてくる。市としては、多面的機能、また一方で中山間地直接支払というものもあるが、それを含めて、違反転用の農地が含まれているようなことがないように、小まめにチェックをしながら、会計検査等があっても大丈夫なように指導している。

違反転用については、把握と早期発見、これに向けて、県等の関係機関、また日常的な連絡調整、情報共有を図って、違反転用発生防止に向けて、住民啓発も含めて行っていきたいと考えている。