一般会計予算に対する小林じゅん子の質疑(3)
~消防団運営補助金について~
【小林質問】 地域消防団の皆様の活動に敬意を表し、感謝を申し上げながら、消防団運営費補助金について質疑する。
消防団運営費補助金については、一昨年の決算質疑でも取り上げているが、その後どんな検討をされたかということでお聞きする。
市から消防団運営費補助金として1,410万円計上されている。その一方で、地域住民からは3,000万円以上に上る協力金、寄附金が消防団へ寄せられている。その内容を見ると、三郷地域のように集めていないところがあるかと思えば、200万円、300万円という高額の区もあり、市民負担の公平性に疑問が生じている。また、消防団運営費の適正な執行にも支障を来すおそれがある。
市民の善意に頼る形ではなく、市の消防団運営補助金によって公平公正にきちんと消防団運営が成り立つような形で、予算をつける必要があるのではないかという内容で質疑をしたところ、「検討します」との答弁であった。しかし、補助金の金額を見ますと全く変わっていない状況なので、どのような検討がされたのかお伺いする。
【総務部長】 新年度に計上した1,410万円の根拠は、一定のルールのもとに、補助金交付要綱に基づき、消防団員の研修、訓練、福利厚生に関する事業に充てるということで、年度当初に10割の概算払いで交付している。
また、一方、協力金の御質問がございました。協力金については、消防団の活動ですが、住民の生命・身体・財産、それぞれの仕事を持つ以外に献身的な任務を遂行しているところから、こういう活動に対しては、多くの市民の皆さんから御理解をいただいていると考える。区からの協力(寄付)のあり方、ないところとあるところがある、不公平であるとのご意見もあり、協力(寄付)については検討しているところである。
消防団の活動に対する地域のねぎらいとか感謝の気持ちとか期待とか、そういったもののあらわれで、地域住民のお気持ちであると考えている。その行為が、慣習あるいは慣例化してきているのではないかと思う。何年か前に消防団を中核とした充実強化に関する法律が制定され、その中には、「出動、訓練その他活動の実態に応じた適切な報酬及び費用弁償の支給がなされるよう、必要な措置を講ずる」とある。協力金、寄付金のあり方については、市がこうですということではなくて、消防団の分団長会議あるいは分団長、正副団長、関係機関等と、調整しながら研究を進めていく必要があるという認識を持っている。
【小林再質問】 一定のルールに基づいて適正に予算づけしてやっているという答弁ですが、それでは地域から協力金や寄附金を、どこまで受け入れてやっていくのがよいか考えなければいけない時期に来ていると思う。
消防団は、消防事務を処理するために設けられた機関であり、消防団の設置、名称及び区域は条例で定めるとされ、消防団に要する費用は当該市町村が負担しなければならないとされている。非常勤の消防団員は特別職の公務員である。これらから、安曇野市消防団の設置に関する条例が定められ、報酬、費用弁償、公務災害、退職報償金等も整備されている。
以上で明らかなとおり、消防団は名実ともに安曇野市の行政組織の一部ということになる。行政機関としての規律に従って運営されなければならないのである。そうすると、寄附金、協力金として地域からいただいたものは、安曇野市の一般会計にきちっと入れて、そこから消防団の経費として支出するという形をとれば、まだ許される余地のある慣習かと思うが、そういうふうにはなっていない。したがって、現状では、地域によって寄附金や協力金には、その金額に大きな差があり、負担に感じている市民もいるのではないか。そんな中、実際の運営補助金はルールに従って、研修、訓練、福利厚生に関する経費に対して10割交付されている。そうであれば、地域の消防団の運営費に多額の繰越金が生じている分団もあり問題がある。きちんと法令に従ってやっていく考えはないか。
【総務部長】 各地域で所管の消防団と自治会は、どういう形で市民の皆さんに協力金(寄付)をお願いしているのか、どういう取り組みでやっているのか等々、そこまで市は関知していない。したがって、これを解決するには、地域の皆さんや関係の皆さんとしっかり調整する必要があると思う。地域のいわゆる慣習というか、そういう形で長らく続いてきたそういう気持ちのあらわれだと思うので、近隣等の他市の状況もしっかり見て、調整あるいは慎重に関係団体と話し合いをして、研究をしていく必要がある。