予算案の一部に反対だからといって予算案全体に反対するのは無責任か?
~一部の問題だからと目をつぶり賛成してしまうのも無責任!~
予算案に反対するときに、賛成議員から「予算案の一部に反対だからといって予算案全体に反対するのは無責任、対案(修正案)を出すべきだ」と非難されることが度々あります。
しかし、ちょっと考えてみればわかると思うのですが、予算案の一部に反対なだけでは、予算案全体を否定することができないということになれば、もはや予算案に反対することなどできないことになります。予算案の中の数ある事業やその金額について、半分以上に納得できない場合なら、反対してもいい(否決してもいい)とでも考えているのでしょうか。当然のことながら、そんな採決のルールはありません。
一部の問題だからと、目をつぶり賛成してしまう方が無責任ではないでしょうか。予算案に反対すべき予算が盛り込まれている場合、すべてを否とするべきなのです。従って、予算案は可決か否決、場合によっては一部修正可決です。
もし、予算案が一人二人の反対ではなく、過半数を超える反対により否決されるような事態になったとすれば、市側(予算執行者)が暫定予算を組むことになります。
さて、以下は「予算案の一部に反対だからといって予算案全体に反対するのは無責任」だと反論された私の反対討論です。
議案第16号
令和元年度安曇野市一般会計補正予算(第2号)について、反対の立場で討論します。
市は、障がい児療育支援事業の運営業務を「やまびこ学園」に委託しているが、個別支援計画が不備など業務の不履行が認められ、運営に問題があったことが判明しました。 本来であれば、5年さかのぼって、委託された業務のうち行ってこなかったものについて、安曇野市へ返還させなくてはいけません。
保護者に直接返還するものについては、7月中にお詫びとともに返還手続きが始まっています。にもかかわらず、市はまだ検討中だと言って、議案質疑や委員会質疑においても納得のいく説明はありませんでした。本来であれば、この補正予算第2号の歳入に返還金が計上されなくてはなりません。
子どもたちの個別支援計画もなく、充分な療育がなされていなかったことが明らかになったのですから、委託料の返還請求をきちんとすること、さらには、職員の天下り先となっている「やまびこ学園」としては、再発防止に向けて市もしっかり関与する必要があります。
もう1点、新総合体育館建設事業にクラウドファンディング型ふるさと寄附についてです。クラウドファンディングを使って、新総合体育館建設に向けて500万円をふるさと寄附によって集めよう、このプロジェクトが人々の共感を得ることができるでしょうか。
クラウドファンディングを成功させるために最も重要なことは、その目的となるものに人々の共感を呼ぶストーリーがある、明確であるということなのですが、残念ながら「新総合体育館建設」ということでは、行政側の都合でしかなく、そこに共感を得られるような物語はなにもありません。クラウドファンディングを使うには、馴染まない、ふさわしくないものと考えます。
以上、私の反対討論といたします。