安曇野市議会9月定例会 小林じゅん子の一般質問(1)
~安曇野の環境保全型農業のさらなる推進を~
「安曇野市の給食の米は全て100%安曇野産。これを、有機無農薬米にしていこう」環境保全型農業の推進に向け、最も効果的な取り組みとして、学校給食に有機無農薬米を導入することを提案しました。
Q1【小林質問】 食の安全や環境に対する消費者の意識が高まり、自然や環境への負荷を低減する有機農業・農産物への需要が伸びている。市の環境保全型農業への取り組みはどうか。
【農林部長】 環境にやさしい農業技術を広く普及する仕組みを作る。国の助成制度により、環境保全効果の高い営農を支援する。エコファーマーの拡充などに取り組んでいる。
【小林質問】 環境保全型農業を推進する一方、ラジコンヘリによる農薬の空中散布が心配。化学農薬、化学肥料の使用量は減少しているか。
【農林部長】 空中散布では、病害虫防除所の提供資料によれば安曇野市ではこの5年間で面積、農薬使用量とも若干の増加。農薬の使用量全体としては市のデータはなく、長野県全体の農薬出荷量等を照会したところでは、この5年間で微減。
【小林質問】 農薬の使用量全体として減少していても、種類によっては増加している。ネオニコチノイド系農薬はこの10年間で4倍、グリホサート(商品名ラウンドアップの主成分)は1.4倍に。市の地下水では化学肥料等に由来する硝酸態窒素が増加傾向。環境保全型農業の推進が必要では。
【農林部長】 支援策が十分浸透していないので、さらなる普及に力を入れていく。
松枯れ防除の農薬空中散布に気をとられている間に、田畑へのラジコンヘリによる空中散布が拡大していました。農作物への残留農薬の心配だけではなく、ヒトや自然環境への悪影響、大地や地下水の汚染、問題は尽きません。
安曇野市の水道水には、硝酸態窒素や亜硝酸態窒素(主に化学肥料や畜産関係の排水に由来)が増加しており、基準値が10mg/Lのところ最大値で5.9mg/L(平成30年度)と高い数値が出ているところもあります。一般の井戸水でも9.9mg/Lまで出たところがあります。
農薬については、検査が義務付けられていないためデータがなく、安曇野市では平成28年度に市独自で水源地5カ所で、農薬にかかわる120項目の水質検査を行いました。結果は全て基準値以下でしたが、しかし、日本の安全基準は諸外国と比べゆる過ぎると批判があるように、これで安心ということにはなりません。基準値を超えるようなことになれば、もう手遅れなのですから。
今こそ、市が農業・農村振興基本計画に示した「有機栽培など、品質や安全性に強いこだわりを持った先駆的な農家を育成する」ときです。そこで提案したいのが、市の学校給食に有機無農薬米を導入することです。子どもから保護者へ、保護者から地域へと有機無農薬栽培に対する理解が広がり、有機無農薬米の市場拡大にもつながります。千葉県いすみ市、石川県羽咋(ハクイ)市などの先進地に学び、環境保全型農業の安曇野ブランドにつなげてほしいものです。