安曇野市議会9月定例会 小林じゅん子の一般質問(2)

~産廃施設からダイオキシン排出か~

ダイオキシンが人の命や健康に重大な影響を与える危険な物質であることは周知のとおりです。ダイオキシン類対策特別措置法により、厳しい基準により規制されています。例えば、ごみ焼却施設の穂高クリーンセンターは、この法律による規制がかかっており、処理基準に適合した施設できちんとしたダイオキシン監視体制がとられています。

一方、焼却施設の一種である火葬場ですけれども、人の遺体を扱うという特殊性から、大気汚染防止法やダイオキシン類対策特別措置法の対象になっていません。ただし、実際にはダイオキシンが出ているという調査をもとに、2000年環境省ではなく、当時の厚生省のほうで火葬場を対象にガイドラインをつくり、ごみ焼却場より厳しい指針値を定めた経過があります。

このように、大気汚染防止法やダイオキシン類対策特別措置法の対象外となっているものがあるということを、まず知っていただきたい。そして、対象外となっているけれども、ダイオキシンを排出しているおそれのある施設が、市内にもあるのではないかということで、今回一般質問に取り上げました。

問題は、産業廃棄物処理施設等で使用されている焼却型脱臭装置です。これは、この法律の対象外となっているため排出基準値が設定されておらず、ダイオキシンの排出の有無も確認できない状況にあります。そこでお聞きしますが、安曇野市内で営業している廃棄物処理施設において、燃焼型脱臭装置からダイオキシンが排出されている可能性はあるでしょうか。

【小林質問】 市内の産廃施設の燃焼型脱臭装置について、県の立入り調査のデータを見ると、ダイオキシン排出の可能性がある。調査すべきではないか。

【市民生活部長】 廃棄物処理施設の許可権者である県によれば、一箇所あるとのこと。ダイオキシンを排出しているおそれがあることは県に伝える。

県も市もダイオキシンが出ている可能性を認めているのに、答弁は「……県に伝える」の繰り返し。
後日、県に伝えた結果を聞くと、「ダイオキシン類を大気に排出する施設として法律で定めている施設に、燃焼型脱臭装置は指定されておらず、排出基準もない。従って、県としては、測定してもその結果の是非について判断できないので、ダイオキシン類の行政検査(測定)は行わない」とのこと。県も市も市民の安全より法や基準が大事なのか?!?!