安曇野市議会3月定例会 小林じゅん子の一般質問

~安曇野市が目指すジェンダー平等~

SDGs5 ジェンダー平等を実現しよう。のサイン

SDGsとは、2015年の国連サミットにおいて全ての加盟国が合意した持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals=エスディージーズ)のことです。2030年を達成年限とし、17のゴールと169のターゲットから構成されています。

参考:持続可能な開発目標SDGsエス・ディー・ジーズとは(外務省ホームページ)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

そのSDGsの目標5つ目にあるのが、今回質問に取り上げた「ジェンダー平等を実現しよう」です。思い起こせば私が市議になったころ(15~6年前)、ジェンダーフリー(ジェンダー平等)バッシングが拡がり、国会の審議の中にまで「ジェンダーという用語を使うな」、「大学のジェンダー関連講義を廃止せよ」という発言が相次ぎ、男女共同参画基本法に対する攻撃にまで及んだことがありました。そんな男女平等や男女共同参画の流れに対する「反動」「揺り戻し」の時代を経て、今、ジェンダー平等が当たり前に語られるようになったことには、感慨深いものがあります。

もう一つ、思い起こせばと言えば4年前のことですが、SDGsに関するイベントの案内を教育委員会や環境課の方へ持っていった時のこと。まだどなたもSDGsをご存知なく・・・。それが、今や宮沢市長自ら率先して「SDGs日本モデル宣言」に賛同し、日本の「SDGsモデル」を世界に発信すると表明するまでになったことは、大いに評価したいと思います。「持続可能な・・・」を目指す背景にある深刻な問題を直視し、解決に向けて真剣に取り組むことを宣言した宮沢市長に、そして市行政のリーダーシップに期待したいと思います。

【小林質問】 安曇野市はSDGs日本モデル宣言に賛同したが、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に向けた取り組みについて、第3次安曇野市男女共同参画計画等にも関わって聞きたい。ジェンダーとは、生物学的な性別に対して、社会的・文化的につくられる性別のこと。世の中の男性と女性の役割の違いによって生まれる性別のこと。

【宮沢市長】 地方からSDGsを推進し、地域の課題解決と地方創生を目指すという決意を表明した。市民に一番近い行政として、ジェンダー平等に向けて積極的に啓発に取り組んでいく。

【総務部長】 ジェンダー平等に不可欠な取組である市の男女共同参画計画の進捗状況では、令和元年度の目標値を達成したものとして、審議会等への女性の登用=目標28.5%・実績28.7%、市の管理監督職員に占める女性の割合=目標22%・実績22.6%など。未達成の項目もまだある。

【小林質問】 女性の管理監督職の割合が高いのは、元々女性の多い保育園長の職(係長級)が管理監督職の数を底上げしているだけで、この5年間で実際に係長、課長、部長に女性が増えてきたのか。女性の管理職登用について伺う。

【総務部長】 部長・課長は増えていないが、課長補佐・係長級の女性の割合は増えてきている。

【小林質問】 女性の管理職が増えない現状をどう変えていくか。

【宮沢市長】 女性管理職に登用しようにも、辞退や退職してしまう事例もあり、個々の職員に意識改革を求めたい。

【小林質問】 女性は駄目かもしれないという(先入観)でやっていく限り、女性登用率はアップしないのでは。

【総務部長】 人事の扱いでは女性・男性の別なく様々事情があるので、特に「女性だから」という捉え方はしていない。

安曇野市が目指すジェンダー平等ということでは、市行政が推進している男女共同参画は、まさにジェンダー平等を目指すことであり、市民に向けてもしっかりとこれを実現していく責任があると思います。まずは隗より始めよ、足元からということで、市役所内のジェンダー不平等の解消に、さらに取り組んでもらいたいと思います。

さて、3月議会が終わってしばらくしたところで、新年度人事の内定が出ました。がっかりしました。女性部長が増えるどころか、一人もいなくなってしまったのです。かと思えば、定年まであと1年というところで部長、課長になる人もあり、いったい何を期待しての人事なのかと首を傾げてしまいます。

そんな中途半端なご都合主義の人事をしているから、女性登用の道も閉ざされがちになるのではないか。そんな気がしてなりません。定年まじかの男性職員を1年だけ課長・部長にするよりも、意欲ある女性職員を早くその職に就けて育てていく方が、どれだけ市民のためになることか。市役所人事におけるジェンダー平等は、まだまだ道半ばと見ました。