あづみ野ランドのプールを救って!住民訴訟

~6月16日長野地方裁判所にて住民訴訟は即日結審~

あづみ野ランドのHPより

6月16日、長野地裁において、第1回口頭弁論がありました。安曇野市内外から15人もの傍聴者が集まり、関心の高さを示すことができました。感謝です。

原告側から以下のような意見陳述を行いましたが即日結審し、判決は9月15日に言い渡されることになりました。

 

《原告の意見陳述》 私たち原告が陳情書「あづみ野ランのプール施設を含めた改修と良好な維持・運営を求める陳情書」を提出するため、住民運動を始めたのはR3年12月のこと。2か月で署名は当初の予想を超えて1440筆集まりました。

R4年2月18日の組合議会で、いよいよこの陳情が審議されることになり、私たちは陳情の説明のため組合議会に臨みました。そこで、M議員から陳情の審議中、公然と知らされたことは「あづみ野ランドは25年前にゴミ焼却施設建設の交換条件として、地元狐島の住民のために建設されたものだ」ということでした。これと同様の発言は、安曇野市議会の委員会の場でもあり、「地元住民が、このような陳情をどう思うか?この次のゴミ焼却施設の更新の時に、『もう狐島では受け入れない』となったら、どうするのか」と質問されたくらい、議会では周知の事実だったのです。25年前の建設時のこの事情は、公然の秘密として触れられることもなく、そのことにより、あづみ野ランドの運営そのものも歪められてきたのだとわかりました。「公金支出の不透明さ」を強く感じました。

あづみ野ランド大規模改修事業は、プールを廃止し、浴場施設を増床し、さらに新たにジム設備を設置するというものですが、不思議なことにこの「大規模な改修が7億円」で、「プールを残す改修11億円」より低予算だったことです。おまけに、現状維持の最小限の改修ならば3億2千万円という見積もり金額は、住民に知らされることはありませんでした。

今年の予算審議では、「7億円の工事費が、10億か11億円に膨らむからもしれない・・」と説明があったことからも、改修予算の見極めが極めて不確かであることがわかります。穂高地域には温泉施設が数多くあるのに、何故、浴場を増床するのですか?安曇野市内に公営プールは一つも無くなってしまうのに、なぜプールを廃止するのか?財源もない中で大規模改修を進めることは考え直すべきです

現在のあづみ野ランドの体育館も浴場も、プールも無くしてほしくありません。なぜなら、あづみ野ランドのそれらはみんな小規模だからです。それ故に、いえ、それだからこそ高齢者や親子や、障害者にとって、使いやすい体育館であり、使いやすいプールだったのです。

R元年12月からR2年3月までに5回開かれた「穂高広域施設組合施設運営検討委員会」の議事録によれば、委員の方々は「宿泊施設とともに浴場を作らないと… 儲からない」「あんな小さなプールはプールとは言えない。プールはいらない」などと感想を述べていますが、あづみ野ランドの施設運営の問題点については、その原因を検討委員会で追究するでもなく、「(今後)指定管理者に任せれば利益を上げることできる」という発言が、元組合議会議長であった委員長や組合事務局長などからいとも易々となされています。根拠なき大規模改修の発想はここに始まっており、広く住民や利用者の声を反映しようとする姿勢は見えません

住民アンケートや住民説明会は必須のはずですが、一切行われませんでした。「コロナのせいで、できなかった」と組合は言うのですが、私たちは狐島地域にアンケート2000部をポスティングしたり、ネットでアンケート調査を行いました。回答を多数得ましたが、その9割はプール存続を望むものでした。組合は、一市民でもできるようなアンケート調査さえやっていません。「コロナ」は言い訳で、大規模改修計画の方向性は組合と検討委員会の間で決まっていたとしか思えません。

この3月31日をもって、あづみ野ランドのプールは閉鎖されましたが、明日から閉鎖というその日まで、プールが廃止となり解体されるというお知らせはありませんでした。最後まで、住民不在、利用者不在のあづみ野ランドだと思い知らされました。
以上、「公金支出の不透明さ」と「民主的手続きの省略」という二つの観点から意見を述べましたが、これらは実は今回の裁判の争点に直接かかわるものではありません。何故なら、この訴状が提出された時点で、「改修費7億円云々とか10億円云々という数字はあくまで見積もり額で、誰も不正に支出などしていません」「予算は可決されています」と被告の組合側は弁明しているのです。

つまり「公金支出の不透明さ」と「民主的手続きの省略」を同時にやってしまえば、誰にも訴えられない、という手なのです。ただ、こんなやり方が繰り返されていけば、私たちの社会はどんな社会になっていってしまうのでしょうか・・・。