安曇野市として初めての予算案を審議

議決が及ぶのは予算案の款項まで

 7日、安曇野市議会12月定例会が始まりました。初日は、議長の諸報告、市長の所信表明、議案説明など。
 平林市長の所信表明演説は時間にして40分ほど。市民の暮らしを最優先に考え、次世代に負の遺産をつけまわししない、といった力強い言葉から始まり、六つの重点政策について述べられました。内容については、今朝の新聞報道に詳しいので、ここではあえて書きませんが、演説の全文コピーをいただいていますので、ご覧いただけるようにしたいと思います。

 さて、議員としては安曇野市の初めての予算案が気になります。これまでは5町村のそれぞれの2005年度予算を持ち寄る形での暫定予算でした。今回提出の本予算は、9月末までの5町村の決算がすみ、そこで出てきた剰余金とこれから3月までに執行される予定の予算とを合わせて216億7172万2,000円となり、そこに安曇野市となったことで増加した3億3627万8,000円を加えて220億800万円という金額になりました。
 5町村の予算が一緒になっただけあって、金額はもちろん、ページ数で見ても膨大なものです(写真ではちょっと分かりにくいですが)。穂高分の予算はある程度理解していますが、他町村の予算のことはパッと見ただけでは分かりません。これは?と思うところをチェックしながら、予算審議の準備をしました。

 ところが、議会初日の予算案の説明では、部長さんたちが歳入歳出の予算額を次々と読んでいくだけで、私がチェックしたような細かいところまでの説明はなく、淡々と進んでいくではありませんか。「穂高町議会とはズイブン勝手がちがうな・・・」と思いながら、程なく「そうか!」と気が付きました。地方自治法では「款(カン)・項(コウ)で議決する」ことが決まっている、こういうことだったのかと。
 款・項というのは予算書の科目のことで、上位にあたる大枠の項目。その下に目(もく)、節(せつ)と順次細かく区分されています。例:(款)総務費、(項)総務管理費、(目)文書広報費、(節)広報印刷製本費
 穂高町議会では、目・節の内容まで含めて本会議で予算説明があったのですが、市議会ともなれば予算規模が大きく、とてもそこまで本会議ではできないので、自治法どおりにやっているのだなと納得。
 しかし、議決の対象になっている款・項の数字だけでは、政策や事業の内容・計画など読み取りようがないのですから、予算審議の進め方はもっと工夫した方がよいのではないかと思いました。
 傍聴に来てくださったある人は「数字を読み上げているだけ。せっかく来てみたのに、これじゃ予算の中身などなんにも分からないね・・・」と、期待はずれのようでした。私は、「だから、実質的な審議をしている委員会の方を傍聴してください。」と念押ししておきました。