新年度予算に質疑
~マウンテンバイクコース整備予算に疑問~
国会の予算委員会のように、地方議会でも予算について鋭い質疑や白熱した議論が繰り広げられているかと思いきや、そうではない議会も多いようです。
勉強会等で知り合った地方議員さんの話からは、「うちの議会では議案質疑はめったにない」、「効率的な議会運営とか言って、質疑なんかやめとけという圧力を感じる」、「質疑するのは共産党や無会派議員だけで、ほかの議員はほとんどしない」、「会派のなかで教えてもらったり、職員に直接聞いてくればいいと・・・。本会議で質疑しないように、ようするに行政側をあまり困らせないようにということらしい」といった実態ががうかがえます。
そこへいくと安曇野市議会は歴史が浅い(5町村が対等合併して15年)ので、ヘンな議会の不文律とかが少なく、「本会議や委員会で質疑しないまま議案を通す」なんて、議会としてあり得ないと考える議員が多いので、議案質疑は活発に行われている方だと思います。
3月議会は新年度予算を扱いますから、議案質疑もいつもより多く、3時間ほどかけて10人が27件の議案質疑を行いました。今回、私は、1、(同和地区)住宅新築資金等貸付事業について 2、マウンテンバイクコース整備について 3、市長交際費について 4、豊科近代美術館の博物館資料(村田コレクション)の充実について 5、GIGAスクール構想のために構築したネットワーク環境について、以上の5件について質疑しました。
ここでは、マウンテンバイクコース整備に関する質疑を報告します。
◆令和3年度 安曇野市一般会計予算~マウンテンバイクコース整備予算
参考:昨年12議会、マウンテンバイクコースの設計費用が補正予算で突然に出てきたときのこと。
・ダウンヒルコースとクロスカントリーコース、それぞれの設置目的と具体的な活用はどのように考えているか。
・クロスカントリーコースは初心者向けとのことだが、そこで全日本クラスの競技会もできるのか。
・ダウンヒルはプロ仕様で初心者には難しいコースなのか。
・初めてマウンテンバイクに挑戦するという、初心者や家族連れが楽しめるようなコースではないのか。
・自転車による健康づくり、観光振興、スポーツ振興との連携は。
・初心者が楽しむためには、レンタルバイクやプロテクターなど必要な用具のレンタルもないと、コースだけあってもどうしようもないと思うが、どのような計画か。
等々、いろいろききましたが、明快で納得できる答弁はありませんでした。
そして、こりゃダメだと思ったのは、「自然の里山の地形を活用したコース作りをするとのことですが、自然を活かしたコースであればあるほど、よい(安全な)コンディションを維持するためには、日々手間暇かけて整備しなければならない。毎年の維持費はどれぐらいかかりそうか・・・」との問いに、政策部長が「当然であります!維持管理費がかかるのは当然です。具体的な試算は今後現れて(表れて?)くるものだと思います」の答弁。
維持費がどれだけかかるかの検討もなく、1,000万円以上かかるマウンテンバイクコースを作ってしまえという予算案なんだとわかりビックリ。これが本当に市民のためになる事業なのか、自転車による健康づくり、観光振興、スポーツ振興に役立つものなのか再検討してもらいたいです。
実は、このところ評判がいいマウンテンバイクコースが、お隣の池田町にあるのです。池田町観光協会公認のオープントレイル(会員制ではなく無料で利用できるコース)です。安曇野市で計画するにあたり、このコースは参考になると思います。
写真は池田町のコースに掲げられている表示です。
安曇野市が計画するコースは、林道を車で登って利用するコースになっているので、そんな点も(といいますか、そもそも「ほりでーゆ~四季の郷周辺の里山」でいいのか)熟考が必要ではないかと思います。