マウンテンバイクコース事業に反対する

~自転車による健康づくり、観光振興、スポーツ振興 その本気度は?~

2021年11月30日にクロスカントリーコースの現場を見てきました。

議案第104号 安曇野市体育施設条例の一部を改正する条例に反対しました。以下、採決に先立っての反対討論です。

この条例は、安曇野市の体育施設に新たにマウンテンバイクコースを位置づけ、その利用について定めるものですが、私は、そもそもマウンテンバイクコースの建設自体に反対しており、これが完成して供用開始されるにあたっても安全に安定的に運営され市民に喜ばれるものとなるか危ぶまれるので反対するものです。

現在、策定中の安曇野市自転車活用推進計画には、自転車を活用した健康づくりの推進の一環として、マウンテンバイクコースの設定は既定の事実として盛り込まれていますが、それにしては現実のコース整備の状況、健康増進や観光振興との連携等、計画推進にちぐはぐな状況が見えます。

ちょうど1年前の12月議会に(※1)提出された令和2年度安曇野市一般会計補正予算(第7号)に、マウンテンバイクコース平面図化業務委託費というものが出てきました。市が進めている「自転車を活用したまちづくり」の一環として、マウンテンバイク(MTB)コースを整備する方針だというのですが、その説明を聞けば聞くほど、なぜ事業の全体像を明らかにしたうえで当初予算で出してこなかったのか、今ごろ補正予算で小出しにしてくるのは何故なのか疑問を持ちました。マウンテンバイクコースの設計図を作るための33万円の補正予算、「33万円ぐらいなら、否決されることはないだろう」、そんな安易さが感じられる事業計画に私は反対をしました。

眺めもよくいいところです。

その後の3月議会では、(※2)新年度予算に1,300万円というコース建設費が出てきました。「ダウンヒルコースとクロスカントリーコース、それぞれの設置目的と具体的な活用はどうするか」、「初心者や家族連れが楽しめるようなコースと、全日本クラスの競技会もできるコースの共存が可能な地形か」、「自動車に自転車を積んで登らないと利用できないコースなので、一般受けしないのではないか」、「自転車による健康づくり、観光振興、スポーツ振興との連携、協力は」等々、いろいろ確認しましたが明快で納得できる説明はありませんでした。

維持費はどれぐらい見込んでいるか聞いたところ、「具体的な試算はこれからです」との答弁。維持費がどれだけかかるかの検討もなく、1,000万円のうえかかるマウンテンバイクコースを作ってしまえ、という予算は認めることができませんでした。

歩いていても滑って転んでしまった私には、スリル満点過ぎるコース。

今、このコースはほぼ完成し、反対したところでどうなるものでもありません。むしろ、前市長のトップダウンで進められたマウンテンバイク事業に、担当の職員は懸命に取り組み、今後の可能性につなげるところまできたことは評価したいと思います。

しかし、前段で述べたように、十分に練られていない事業計画を補正予算で安易に予算化し、既定の事実として進めていくようなやり方は、結局は市民のためにはなりません。今後への警鐘という意味を込めて、安曇野市体育施設条例の一部を改正する条例には反対します。

この私の反対討論のあと、中村今朝子議員と竹内秀太郎議員の賛成討論が続き、だれか私のほかにも反対意見はあるのではないかと思っていたのですが、そうはならず。採決の結果は賛成多数で可決。反対したのは私一人。賛成者は起立するので、ただ一人反対して座ったままでいるのは、けっこうな重圧を感じるものです。「コースはもうほぼ出来上がっているのに、いまさら反対してもどうなるのんでもない」という声も聞こえてきましたが、反対の意見もあったということは残しておかねばと考えた結果の反対でした。

(※1)2020年12月28日
マウンテンバイクコース平面図化業務委託ってなに
~自転車での健康づくりにマウンテンバイク?~

(※2)2021年4月2日
新年度予算に質疑
~マウンテンバイクコース整備予算に疑問~