令和4年度の安曇野市一般会計予算
~市議会は可決/小林じゅん子は反対~
職員が能力を発揮できる職場環境に見直す必要がある。アウトソーシングの在り方の問題に関する改善策が見えない。水環境基本計画・行動計画などの計画において、やるべき基本的なことが予算にない等々の理由で反対。
以下、小林じゅん子の反対討論です。
議案第25号 令和4年度安曇野市一般会計予算について、反対の立場で討論します。
令和2年度安曇野市一般会計の決算認定において、私は、決算は市の政策や事業の事後評価であり、次の予算に活かすためにあるとの考えから厳しい評価をしました。
新年度予算の審議にあたっては、それら決算の評価が反映され、市政の進展・改善が期待できるものになっているかという観点から検討しましたが、適切な予算執行につながるか懸念があるので反対の意見を述べます。
懸念される点については、いくつか事例をあげます。
まずは、市役所の職場環境の問題です。
ハラスメント防止等に関する要綱を作ってはいますが、充分に機能しているとはいえません。もちろん職場環境のことではハラスメント問題だけではありませんが、要綱に定める以前の職員の意識変革も道半ばではあります。正規職員700人に対し、それ以上の800人の会計年度任用職員が働いている市役所は、すべての職員が持てる能力を十分に発揮して、市民のために仕事ができる環境になっているか、見直す必要があります。
次に、指定管理者制度や業務委託などのアウトソーシングのあり方です。1昨年来、問題になっている工業振興事業の多くを、特定の業者に随意契約で業務委託していること、廃棄物処理施設に関する排水設備調査の業務委託では、随意契約にあたって仕様書を作らないで見積り合わせを行ったという問題も起こり、不正な随意契約や談合があったと疑われても仕方ないようなやり方をしたにもかかわらず、再発防止に向けての反省はありません。4つの社会就労センターの運営を、市が関わって設立した一般社団法人を指定管理者として任せていること、指定管理者としての安曇野文化財団のあり方等々、長年の業務委託や指定管理により、PDCAサイクルに基づく事業推進や政策点検までもが事業者へお任せとなり、問題に気付かないといったことが往々にしてあることも分かりました。そういった点に関する改善策などは予算審議では見えないままです。
もう一つは、
行政は、様々な計画を策定し、それに基づきながら行政運営を行っていますが、計画は当然、実行しなければ意味がありません。安曇野市水環境基本計画・行動計画はこのほど中間見直しがされましたが、地下水の水質に関わることでは従来と変わらず「水質モニタリング調査を継続する」としかありません。水質悪化の現実を直視し、その対策に水資源対策事業の予算を付けるべきでしょう。
一般廃棄物処理基本計画や毎年の一般廃棄物処理実施計画というものもありますが、こちらも一般廃棄物の排出予定量や処理計画に基づき処理業者に許可を与えるのは市ですから、その基本的なところに立ち返って市民のための廃棄物処理行政を進めるべきです。
以上、令和4年度安曇野市一般会計予算についていくつか問題を指摘し、反対の討論といたします