安曇野市議会9月定例会 小林じゅん子の一般質問(まとめ2)
~150年変わらない学校に発想・構造転換を~
「令和2年度の調査によると、長野県の小・中学校における不登校児童生徒数は 3,802 人で、8年連続で増加しており、全国と同様に過去最多となっています。」
という話題から入った私の一般質問ですが、10月27日公表の文科省の最新調査データによると「令和3年度は小中24万人で最多、9年連続増加」、長野県でも905人増えて4,707人、過去最多。という結果となったとのこと。
増加の背景としては、次のように報告されています。「休養の必要性等を明示した「教育機会確保法」の趣旨が浸透したこと、コロナ禍における生活環境の変化により、登校する意欲が湧きにくい状況があったことなどが考えられる。」
つまり、「むりに登校しなくてもいいことになったから」「コロナの影響で、登校する意欲が湧きにくかったから」と分析しており、「むりしても登校しなければならない学校や、登校する意欲が湧かないような学校」に問題があるとは思っていないようです。
今、考えなくてはいけないのは、「学校に行きたくない子ども」のことはもちろんですが、「子どもが行きたがらない学校」をどうするかではないでしょうか。そこで、私は声を大にして言いたいのです。「150年変わらない学校に発想転換・構造転換を」と。
ちなみに、「学制」が明治5年に公布されてから、この9月4日で150年を迎えたということもあり、今回9月議会の一般質問に取り上げました。
150年前、明治政府は経済と軍事を発展させ国を強くするために国民の教育が急務と考え、教育制度に効率的な学年別の一斉授業を採用し今日に至っています。当初の目的であった富国強兵は果たされましたが、時代が変わり、社会が変わり、人々の意識や生活も変わってきたのに、150年前と変わらぬ学校システムでいいのでしょうか。
不登校、いじめ、体罰、虐待、小1プロブレム、中一ギャップ、落ちこぼれ・吹きこぼれ、同調圧力、空気を読み合う人間関係等々、今日の学校で起こっている様々な問題は、「150年変わらない学校」の構造的な問題ととらえれば、私たちにできることが見えてきます。
安曇野市が目指す「たくましい安曇野の子ども」。その具体的な姿として、「自ら動く児童生徒」「学び続ける姿勢を持つ教師」「地域へ飛び出す学校」3つの重点を定めていますが、これらの教育目標は「150年変わらない学校の構造」をそのままにしては、もはや実現困難と思われるので、安曇野市の学校の構造転換に取り組むことを提案します。