安曇野地域合併協議会ウォッチング〜その6〜

新市において調整する、検討することばかり

 第6回安曇野地域合併協議会は30日、穂高町民会館を会場に開催されました。1日付けの市民タイムスでは「新市名称『安曇野市』へ」の見出しが大きく目を引きましたが、協議会では淡々としたものでした。もともと新市の名称でもめる心配のないこの地域、15日に締切った新市の名称と町名・字名のアンケートの回収率もたったの21.81%、新しい市の名前に希望を託すような盛り上がりにまったく欠けていました。安曇野の仮名遣いのひらがな表記は「あづみの」、アルファベットのローマ字表記はAZUMINOとするなども提案され、次回協議会で確認される見込みです。
 町名・字名の取扱いについては、字の区域は当面のあいだ現行どおりとするということと、町名・字名は(私の住む穂高町有明を例にとると、安曇野市となった場合)①「安曇野市有明」②「安曇野市穂高有明」の二つの選択肢が提案されました。

 その他、注目の提案事項は新市の事務所の位置について。「新市の事務所」と言っているところが微妙、新市庁舎ではありません。この「新市の事務所」は、当面のあいだ南安曇自治会館(南安曇合同庁舎北隣)とし、新市庁舎については住民の利便性、交通事情及び官公署との関係等を考慮し新市において検討するという説明で、もう少し具体的な提案があるかと思っていた人たちは拍子抜けした様子でした。すかさず三郷の委員がその点を確認すると、事務局からは「市庁舎を新しく作るか作らないかも含めて、建設場所もまったく未定」と強調していました。
 半年前、1年前の合併論議が盛んだった頃、「合併しても新市庁舎は建てない、ぐらいの決意でする合併なら考えてもいいが・・・」というと、決まって「10万人都市になるのに、市庁舎を建てないというわけにはいかない」「そのために特例債というものがあるんじゃないか」と反論されたものですが、そんな大事なことを、合併するかしないかの判断の規準になるようなことを、結局は合併してから決めるというのか、私には腑に落ちない考えです。新市庁舎をどこに持っていくかは、非常にデリケートな問題なので、今そのことにふれるのは避けようと先送りしているように思えます。

 各種事務事業の取扱いでは、12項目が確認されましたが、学校教育と社会教育関係ではいくつか論議があり、修正・追加したものが確認されました。一つは学校給食費、原案では合併後「統一する」だったのですが、現在ある給食センターが一つになるわけではなく、各地域の独自性、食材の地産地消などの面から考えても、「統一する」のがベストとはいえない。ということで「調整する」に修正。もう一つは学校評議員制度、新市において設置するという原案に対し、「現在その制度がない町村では合併後すぐに設置といわれても・・・」という消極的な意見や、「PTAがあるから必要ない」といった発言があり、どうなるかと心配しましたが、既に学校評議員制度を取り入れている豊科や穂高の委員から、この制度の本来の意義や実際の活動状況などが語られ、「設置するよう調整する」と修正することで落ち着きました。小学校の30人規模学級については、新市において検討することが追加されました。
 その他にも2〜3の修正がありましたが、内容の検討よりも、どんな文言を使って表現したら後々の運用に困らないか、といったことばかりで、せっかく集まっている委員さんたちもあまり面白くないだろうな、というのが私の正直な感想でした。

 次回協議会は12月14日(火)午後1時半から、三郷村農村環境改善センターであります。